人民網日本語版 2021年3月31日(水) 20時10分
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北京の桜の名所として名高い玉淵潭公園にやって来ました。(撮影・勝又あや子)
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北京の街を人民網日本人編集者のA姐とG姐がぶらりと歩いて紹介する、その名も「ぶらり北京」。今回は北京の桜の名所として名高い玉淵潭公園にやって来ました。さて、A姐とG姐は美しい桜を心静かに愛でるのか、それともやっぱり「花より団子」派?
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北京の中心地から少し西にある玉淵潭公園は、金代から風光明媚な景勝地として知られ、遼金代には士大夫が景色を愛でに好んで訪れた。後に清の乾隆帝が香山から水を引き、池のほとりに建てた釣魚台で釣りを楽しんだという。1960年、正式に玉淵潭公園と命名。市民の憩いの場として親しまれている。
玉淵潭公園の桜は日中友好の証としても知られている。この公園に桜が初めて植えられたのは1973年のこと。日中国交正常化を記念し、日本から贈られたオオヤマザクラの苗180株が植えられた。1989年、公園内に「桜花園」が造営され、それ以降、中国東北地方や山東省などから14品種、2000株以上の桜が植えられた。さらに2001年以降、ソメイヨシノを大量に植樹。今では40品種以上、3000株近い桜の木が植えられている。
玉淵潭公園で毎年開催される桜まつりは今年で32回目。例年多くの花見客が詰めかけ、押すな押すなの大混雑となる。今年は新型コロナウイルス感染症の影響で予約制を採用し、入場者数を制限。そのせいか、ひどい混雑もなく、ゆっくり桜を愛でることができた。この日はソメイヨシノの見頃にはまだ早かったが、ちょうど満開を迎えている品種も。淡い桜色の花びらが重なり合い、小さな毬玉のように集まって咲く様子がとても可憐だった。
日本で花見と言えば、シートを敷いて車座に座り、賑やかに食事やお酒を楽しむというのが一般的。でもここ、玉淵潭公園での楽しみ方はなんといっても写真撮影!一眼レフを片手に桜の花を撮影しにやって来るアマチュアカメラマンも多いけれど、メインは「桜と私」写真。公園のあちらこちらで、桜の前でポーズを撮る人々の姿が見られた。カメラから視線を少し外すのは基本中の基本、さらには足をクロスして雑誌モデルを気取る人、華やかな傘を手に雰囲気を演出する人、紅楼夢の林黛玉よろしくはんなりポーズを決める人……でも「映え」写真を狙うあまり、桜の枝を折ったり、顔の近くまで引き寄せたりするのは厳禁。そんな不心得者が出ないよう、園内には花見マナーの監視スタッフがしっかり目を光らせている。
漢服姿の人もちらほら。園内には漢服レンタルショップもあり、ここで衣装を借りて園内で撮影することもできる。衣装のレンタル代は1時間100元(約1700円)、ヘア・メイク代がそれぞれ10元(約170円)とお手頃価格だ。ただ、レンタルショップ店員によると、「見に来る人は多いけれど、実際に借りる人はそんなに多くない」とのこと。漢服花見客のほとんどは自前衣装組ということらしい。「撮影用衣装」のバリエーションは他にもいろいろと豊富。日本の制服を思わせるセーラー服やゴスロリファッションも目についた。
少し年齢が高めの女性たちに絶大な人気を誇るファッションアイテムは、鮮やかな色のスカーフだ。お揃いのスカーフで決めた女性グループもいれば、思い思いの色のスカーフでおめかしした数人連れの女性たちも。
そんな中、ひときわ目を引いていたのが、赤いジャージ姿の開脚パフォーマンスおじいちゃん。御年86歳で、ご本人の弁によれば、「3歳から練習している」とのこと。スマホやカメラを向ける周囲の人たちを感嘆させていた。
しかし、今年の桜まつりの一大トレンドは何といっても桜アイス!園内のあちらこちらに売店が設けられ、桜の花を象ったアイスが文字通り飛ぶように売れていた。この日売られていた桜アイスは2種類で、15元(約250円)の桜アイス(モモ味)と、ちょっと高級な29元(約480円)の桜アイス(イチゴ味)。イチゴ味のほうは、玉淵潭公園とハーゲンダッツのコラボ版だ。売店の店員によると、「今は玉淵潭で桜を見て、アイスを食べるのが流行り」。でも実は、流行っているのはどうやらアイスを食べること自体ではなく、桜をバックに桜アイスの写真を撮り、SNSにアップすること!園内では桜アイスを手に写真を撮る人の姿が数多く見られた。中には、写真撮影に夢中でアイスが溶けてしまい、桜の花の形のアイスごと地面に落としてしまう人も。「映え」狙いもほどほどに…
桜アイスのほかにも、公園内の売店には桜グルメが満載。北京の伝統玩具である兎児爺を模したパッケージのゼリー飲料や、玉淵潭公園と飲料メーカーがコラボレーションしたミネラルウォーター、ピンクのポテトチップスなどなど、桜をイメージしたピンクのパッケージが棚いっぱいに並んでいた。
私たちは日本人らしく花見弁当を持参。風呂敷の上にお弁当を広げていたら、近くにいた中国人から「とてもきれいだから写真を撮ってもいい?」と声をかけられた。桜を見に行ったはずが、私たちのほうが好奇心の対象として見られるほうになってしまった。日本では花見というとお弁当やお酒を持参してピクニックや宴会をするイメージが強いが、中国では散策や写真撮影を含めた行楽がメイン。同じ花見でもずいぶんと違うものだと実感した玉淵潭公園桜まつりだった。
日中友好の象徴として桜が植えられてから半世紀近く。玉淵潭公園は北京の桜の名所としてすっかり定着した。北京の空の下で美しく咲く桜の花と、思い思いのスタイルで桜を楽しむ人々を見に、玉淵潭公園まで足を延ばしてみてはいかが?(提供/人民網日本語版・文/勝又あや子)
●ぶらり北京
北京の街を人民網日本人編集者のA姐とG姐がぶらりと歩き、見たり、食べたり、遊んだり?興味の向くまま、気の向くまま、北京の魅力をゆる~くお伝えしていきます。
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