韓国海軍が計画中の軽空母、左派系紙も疑問視「21世紀の亀甲船か金食い虫か」

Record China    2021年4月3日(土) 23時20分

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韓国海軍が計画している軽空母をめぐり、左派系紙は「21世紀の亀甲船か金食い虫か」と疑問視した。保守系紙は反対の声を上げており、主要各紙の論調が珍しくそろってきたようだ。写真は亀甲船。

韓国海軍が計画している軽空母をめぐり、文在寅政権に近い左派系のハンギョレ新聞は論説委員名のコラムで「21世紀の亀甲船か金食い虫か」と疑問視した。文政権に批判的な保守系紙は計画にこぞって反対の声を上げている。軽空母に関しては主要各紙の論調が珍しくそろってきたようだ。

亀甲船は韓国で「世界初の装甲艦」とされている。豊臣秀吉が朝鮮半島に攻め込んだ「文禄の役」などでは李舜臣が率いた朝鮮水軍が亀甲船を使って日本勢を相手に大きな戦果を挙げたと語り継がれている。プ・ソクチョン海軍参謀総長の今年の新年の辞で「未来世代のための『21世紀の亀甲船』を今から建造しなければならないという切迫した気持ちで、全力を尽くさなければならない」と述べた。海軍は最近、軽空母を広報する際「21世紀の亀甲船」と強調している。

ハンギョレ新聞のコラムは「米国と違って韓国は遠洋まで空母に戦闘機を搭載して出撃し、作戦を行う軍事的必要性そのものをなかなか想像できない」と指摘。海軍が説明する「海上交通路の保護」に関しては「誰が海上交通路を遮断し、その脅威の程度がどれほど深刻なのか、そしてこれに対処できる韓国の軍事的・外交的手段には何があるのか、その優先順位はどのようにするのか明確に示さなければならないのに、海軍はあまりにもお粗末に軽空母の必要性だけを訴えている」と批判した。

さらに「軽空母は単なる兵器システムの導入の問題ではなく、韓国の安全保障の根本的な方向性に関する問題」と言及。「今後、中国や日本を『潜在的敵国』と見なすのか?米国と中国が南シナ海や東シナ海で戦った場合、韓国は米国と協力し中国に対抗するのか? 韓国政府は軽空母が21世紀の亀甲船という感情に訴えるスローガンではなく、われわれが軽空母でいかなる利益を守り、周辺国にどのようなメッセージを与えるのか、特に米中の覇権争いにおいてどのような意味を持つのか明確に答えなければならない」と論じた。

コスト面では「国内企業が3万トン級の軽空母を設計して船体を造るのに約2兆300億ウォン(約2230億円)、軽空母に搭載される垂直離着陸戦闘機20機余りを導入すると約3兆ウォン(約2900億円)、合計すると軽空母の導入には5兆ウォン(約4840億円)、維持管理費は毎年2000億ウォン(約190億円)ほどかかる」との試算を披露。「軽空母が金食い虫になってしまうと、陸軍や空軍の事業が流れ弾に当たって萎縮しかねないため、陸軍、空軍は海軍の軽空母導入に批判的だ」と述べた。  

その上でコラムは「なぜ必要なのかという質問にもまともに答えられず、『取りあえずやってみよう』というやり方には賛成できない」と非難。「国民が厳しい状況を強いられているコロナ禍の中、軽空母を強行するのは理解に苦しむ。国民の声援と支持なくしては、軽空母を造ることはできない」と主張した。(編集/日向)

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