世界最大級の化学会社が誕生、中化集団と中国化工集団の共同再編実施が承認

内藤 康行    2021年4月8日(木) 10時50分

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中国中化集団有限公司と中国化工集団有限公司が共同再編を実施したことに伴い、国務院が監督する資産監督管理部門委員会は、国務院省を投資家とする新会社を設立した。資料写真。

3月31日、国務省の批准を得て、中国中化集団有限公司(Sino chem)と中国化工集団有限公司(Chem China)が共同再編を実施したことに伴い、国務院が監督する資産監督管理部門委員会は、国務院省を投資家とする新会社を設立した。共同再編は、資源の統合、相乗効果を発揮し、世界クラスの総合化学工業企業を構築する。

化学産業は、国民経済に直結する支柱産業であり、現代経済システムの重要なセクターでもある。世界の化学工業は、高い産業の集中度、顕著な規模の効果、大企業の主導という特徴を持っている。近年、国際的な化学大手企業が相次いで再編と統合を進めている。世界の先進経済セクターには、化学の基礎研究開発、新製品の創出、産業チェーンの価値創造において重要な主導的役割を果たしている大規模な総合化学工業企業がある。その中で今回の新会社の再編と設立は、業界をリードする総合化学グループの構築、供給側の構造改革と業界の変革、化学業界のアップグレードを加速する。

再編後、新会社はイノベーション主導の発展戦略を継続して徹底実施し、「科学至上、知識と行動の統一」理念でグローバル化、市場志向の運用モデルを展開する。生命科学と材料科学を基礎とする持続可能発展の世界トップクラスの総合化学工業企業を目指す。

新会社は、生命科学、材料科学、基礎化学工業、環境科学、ゴムタイヤ、機械設備、都市運営、産業金融その他の事業分野をカバーし、新たな産業チェーンを開拓し、産業のアップグレードを図る。特に建設、輸送、新世代の情報産業の応用分野での競争力と材料のボトルネックを突破し、化学材料の総合ソリューションを提供する。農業分野では農業変革とアップグレードを促進するための高水準の農産物と総合農業サービスを提供する。化学環境保護事業の分野では、省エネと排出削減を積極的に推進し、中国の「カーボンピーク」と「カーボンニュートラル」目標達成に貢献する。

今後、中化集団と中国化工は、関連法規制要件に則り、この共同再編を着実に推進する。


■筆者プロフィール:内藤 康行

1950年生まれ。横浜在住。中学生時代、図書館で「西遊記」を読後、中国に興味を持ち、台湾で中国語を学ぶ。以来40年近く中国との関わりを持ち現在に至る。中国の環境全般と環境(水、大気、土壌)に関わるビジネスを専門とするコンサルタント、中国環境事情リサーチャーとして情報を発信している。著書に「中国水ビジネス市場における水ビジネスメジャーの現状」(用水と廃水2016・9)、「中国水ビジネス産業の現状と今後の方向性」(用水と廃水2016・3)、「中国の農村汚染の現状と対策」(CWR定期レポ)など。

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