人民網日本語版 2021年4月7日(水) 21時10分
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張麗佳さんは、ほこりが舞う工事現場で、高さ数メートルの足場にスタスタと登り、片手にパテののったコテ板を持ち、もう片方の手でコテを持って壁にパテを塗り、山や川などの景色が描かれたレリーフを製作していた。
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「壁にパテを塗るのが仕事」という張麗佳(ジャン・リージア)さんは、ほこりが舞う工事現場で、高さ数メートルの足場にスタスタと登り、片手にパテののったコテ板を持ち、もう片方の手でコテを持って壁にパテを塗り、山や川などの景色が描かれたレリーフを製作していた。揚子晩報が伝えた。
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95後(1995から99年生まれ)の張さんは、自分のスキルを活かして、6日間で4万元(約68万円)も稼ぐ壁画アーティスト。壁画を製作する様子を映した動画を、ショート動画プラットホームに投稿すると、フォロワーが850万人以上も集まった。この仕事を始めて4年になる彼女は、筆などを入れた大きなスーツケースを持って、中国各地を走り回っている。1年で、製作した壁画は60作品以上に上り、年収は100万元(約1700万円)以上に達したという。昨年末、中国中央テレビ局(CCTV)から要請を受けて、同年12月8日に地震が発生した四川省綿竹市に足を運び、大型壁画を製作。多くの人々を感動させた。現在、壁画を描いてほしいという注文は、半年先まで詰まっているという。
張さんがSNSにアップしている動画を見ると、作業をしている場所のほとんどが内装工事中の工事現場やマンションのリビング、オフィスビル、コミュニティーの文化壁、遊園地などだ。それらの場所で、彼女はコテを持って高さ数メートルの足場に堂々とした姿で立っている。まず、専用のペンで白い壁におおよその形状を描き出し、その後、コテでパテを塗って山や川などの輪郭を作り、最後に色を付け、山水画のレリーフを完成させる。
最近、「1人で6日間で4万元稼ぐ」というタイトルの動画がネット上で話題となり、張さんは瞬く間に時の人となった。その動画の再生回数は3億1000万回に達し、ネットユーザーからは、「自分のスキルを活かして稼いでいるのだから、どれだけ稼いでもやましいことは一切ない」、「コンクリートの壁に人間のにぎやかな世界を描いている」など、絶賛するコメントが次々と寄せられた。張さんは取材に対して、「動画は全てノンフィクション。あの作品は昨年11月に完成した。一人で天津に行き、6日かけて仕上げた。クライアントも満足してくれて、約束通り4万元を支払ってくれた」と話した。
張さんのショート動画プラットホームのアカウントには850万人以上のフォロワーが集まっているが、なぜそれほどの人気となっているのだろうか?彼女自身はその人気の秘密について、「みんな、女性の私が汚くて、ハードな仕事をしていて、苦労をいとわないと感じているからかも。パテを塗ったり、足場やコンプレッサーを運んだり、高所で作業をしたりし、工事現場で寝るのも問題ないので、とてもボーイッシュでしょ」とし、「みんなに、かわいいのにこんなに頑張っていると言われて、とてもうれしい」と笑顔で語った。
安徽省の農村で生まれた張さんは、「両親は経済的にとても裕福とは言えず、父親はデリバリー配達員、母親は清掃の仕事をしている。子供の頃から絵が大好きで、暇な時はいつも絵を描いていた。高校生の時に、美術系の大学に行き、将来は美術関係の仕事をしたいと伝えた。大学の学費は、両親にとって大きな負担となるものの、私の夢を応援してくれた」といい、努力が実り、広東省の大学のアパレルデザイン科に合格したという。
「壁画に出会ったのは大学2年の時。学校の近くにオープンしたパン屋のオーナーが壁に黒い線を描いてほしいという募集を出していたので、生活費を稼ぐために、連絡した。それまでに壁画を手掛けたことはなく、模索しながらやっていると、それほど難しくないことに気付いた。壁に描くレリーフは、服のドレーピングと共通がある。その時から、壁画に強い関心を抱くようになった」と張さん。
大学卒業後、張さんは、全国にチェーン店がある美術用塗料会社に就職し、中国各地のクライアントを訪ねて、壁画を製作するようになった。その時から、高さ十数メートルの足場に登り、壁画を製作するというのが普通のこととなり、疲れた時は、ホコリだらけで汚い作業現場に座ったり、寝転んだりして休むようになった。また、お腹が空いた時は、塗料が入った缶をテーブル代わりにして、デリバリーで配達してもらった食事を食べ、車から降りるとすぐに袖をまくって、何時間も作業をするという生活を送っている。「自分の好きなライフスタイルを選ぶ権利が誰にもある。私は絵を描くのが大好きで、全国を巡って、いろんな風土や人情を体験するのも大好き。ためらうことなくこの業界に入った」と張さん。
2020年末、張さんはCCTVから要請を受けて、四川省綿竹市清平鎮の「童話村」に行って、壁画を製作した。彼女はもう一人のアーティストとコラボして、40平方メートルの大きさの、中国伝統の年画(新年に家の門や扉、壁等に飾る版画)の要素を盛り込んだ裸眼3D壁画を製作し、地震と土石流の二つの災害に見舞われ、甚大な被害が出た村にプレゼントした。この仕事を手掛けるに先立ち、張さんはある優秀な同業者にアドバイスをもらい、最終的にパテの代わりにセメントを使い、最も意義があり、最も満足いく作品を完成させた。「製作の過程で、感動することがいっぱいあった。村の勇敢でポジティブな人々は本当に素晴らしい」と張さん。
今後の計画について、張さんは、「オリジナル作品をたくさん製作したい。また、設計部門や施工部門などがある会社を立ち上げ、動画を撮影し編集してくれるチームも設置したい。そして、高く評価してもらえるオリジナルブランドを作りたい。壁に描くレリーフが中国の一人でも多くの人に知られるようになることを願っている。私の努力を通して、一人でも多くの人に、壁画の美しさを知ってもらいたい」と話した。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
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