Record China 2021年4月17日(土) 8時30分
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内戦前夜の様相すら見せているミャンマー情勢をめぐり、米誌は国軍の後ろ盾とされる中国が「緊張緩和に乗り出した」と報じた。国内の各勢力ともパイプがあるという。ミャンマーヤンゴン市。
内戦前夜の様相すら見せているミャンマー情勢をめぐり、米誌ニューズウィークは国軍の後ろ盾とされる中国が「緊張緩和に乗り出した」と報じた。中国は国軍のほか、アウンサン・スーチー政権とも緊密な関係を維持。武装闘争を続ける少数民族グループともパイプがあるという。
ニューズウィークによると、ミャンマーの地元メディア・イラワジは8日、複数の情報源を引用して、首都ヤンゴンにある中国大使館の外交官がスーチー氏が率いる国民民主連盟(NLD)の議員らが事実上の臨時政府として組織した「ミャンマー連邦議会代表委員会 (CRPH)」の代表メンバーと電話で話したと報道。9日の記者会見でこの接触について確認を求められた中国外交部の趙立堅報道官は「中国政府は積極的に平和の促進を試みている」と答えた。
趙報道官は「中国はミャンマーの現状を懸念しており、ミャンマーのすべての当事者が憲法と法的枠組みの中で政治的理解を共有するために、できるだけ早い時期に対話を開始することを望んでいる」と強調。「そして、やっとのことで手にした民主制への移行プロセスをミャンマーの国家状況に合う形で進めるべきだ」と訴えた。
ロイター通信によると、中国大使館はロイターに送った声明で「中国はミャンマーのあらゆる関係者と連絡を取り合い、話し合っている」とした。声明は「その目的は、平和と対話を促進し、過熱した状況を冷却化し、ミャンマーの安定を維持すること。対話と協議を通じて違いを解決し、民主的な変革のプロセスを推進することだ」と述べた。
国軍に対抗するCRPHは3月、ミャンマー国内のさまざまな少数民族武装組織に対して、これまでの「テロ組織」の指定を取り払い、中央政府から州により多くの自治権を与える連邦制への道を開く新憲法に基づく同盟を求めた。米AP通信によると、事態の推移を監視しているクリスティーヌ・シュラネル・ブルゲナー国連事務総長特使(ミャンマー担当)は、非公開のブリーフィングで「前例のない規模で内戦の可能性が高まっている」と警告した。
ミャンマー問題について、中国は国連安保理などで国軍側に対する国際社会の介入圧力を抑え、代わりに国内での激しい衝突を緩和するため独自の道を追求してきた。中国の動きの背景として、ニューズウィークは「中国にとっての利益はミャンマーが習近平国家主席が提唱するシルクロード経済圏構想『一帯一路』の中心的役目を果たす立場にあることと結び付いている。両国を結ぶ主要な輸送ルートと石油・ガスパイプラインは一帯一路の一環であり、『中国・ミャンマー経済回廊』と呼ばれている」と言及した。(編集/日向)
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