Record China 2021年4月30日(金) 15時50分
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中国けん制を目的とした日米豪印4カ国によるQUADについて、中国が韓国に参加するかどうか複数回にわたり、問い合わせてきたことが明らかになった。韓国紙が香港紙の記事を引用して報じた。写真は韓国大統領府。
海洋進出などを強める中国けん制を目的とした日本、米国、インド、オーストラリアの4カ国による安全保障の枠組み(QUAD)について、中国が韓国に参加するかどうか複数回にわたり、問い合わせてきたことが明らかになった。韓国紙が香港紙の記事を引用して報じた。
朝鮮日報によると、香港紙のサウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は4月24日、匿名の外交筋の話として「複数の中国政府関係者が韓国にQUADに参加する意思があるか複数回確認した」と報道。これに対して韓国は「参加の要請を受けたことはない」と回答したという。
SCMPは中国がいつ、どのようなルートを通じてこのような問い合わせをしたかなど、具体的な内容は伝えなかった。その一方で「韓国がQUADに対して戦略的に曖昧な態度を取る可能性は排除できない」として中国が懸念しているとも伝えた。
浙江大学の千勇教授は「米国は韓国に求愛し、韓米同盟と米日同盟を(韓米日)三角同盟へと統合しようとしてきた」「韓国がQUADに参加した場合は結果的に三角同盟となるが、これは東北アジアにおける小さな北大西洋条約機構(NATO)になるだろう」との見方を示した。山東大学の畢穎達教授も「東北アジアにおいて反中国の連合体が形成されれば、これは中国にとって大きな圧力となり、軍事衝突が起こるリスクも高まるだろう」と予想した。
QUADは中国けん制という目的が強調されていたが、最近はコロナ・ワクチンの提供、半導体を中心としたサプライチェーン構築など、その協力関係はさまざまな分野へと拡大。米国はQUADを中核とした「QUADプラス」の形成も目指している。
そこには韓国をはじめ英国、ベトナム、フィリピンなど中国との関係がぎくしゃくしている国々の名前が挙がっている。米国政府関係者はメディアの取材に「韓国の友人たちと(QUADついて)非常に深い話し合いを行ってきた」「より緊密な協議やその参加はいつでも歓迎するだろう」とコメントした。
QUADをめぐり、中国の王毅外相は日米首脳会談の11日前となる4月5日、茂木敏充外相と電話で会談した際、「いかなる超強大国の意思も国際社会を代表することはできず、この超強大国に従う少数の国も多国間の規則を独占する権利はない」と述べ、強い不満を表明した。
今後の中国の出方について、朝鮮日報は「5月には文在寅大統領の米国訪問とバイデン大統領との首脳会談が予定されていることから、中国政府と中国の識者からは韓国に対する警告の意味合いを込めた発言が増えるものと予想されている」との見方を示した。(編集/日向)
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