中国、バイオマス発電ユニットが3年連続世界トップに

内藤 康行    2021年5月21日(金) 5時20分

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2020年末現在、中国のグリッド接続バイオマス発電ユニット容量は累計で2952万キロワットに達し、3年連続で世界トップとなった。

先日、中国産業発展促進協会バイオマスエネルギー分会は「中国バイオマス発電産業発展報告」を発表した。同報告によれば2020年末現在、中国のグリッド接続バイオマス発電ユニット容量は累計で2952万キロワットに達し、3年連続で世界トップとなった。

同報告はまた、2020年に中国で新設されたバイオマス発電ユニット容量は543万キロワットとなり、年間発電量は1326億キロワット/時、年間グリッド電力は1122億キロワット/時になったと述べている。2020年末現在、中国のバイオマス発電ユニット容量は、再生可能エネルギーの総ユニット容量の3.2%を占め、発電量は6.0%を占めていると指摘した。

2020年、中国のバイオマス発電の累積ユニット容量トップ5は、山東省、広東省、江蘇省、浙江省、安徽省で、それぞれユニット容量は365万5000キロワット、282万4000キロワット、242万キロワット、240万1000キロワット、213万8000キロワットだった。また 新設されたユニット容量トップ5は、山東省、河南省、浙江省、江蘇省、広東省で、それぞれ67万7000キロワット、64万6000キロワット、41万7000キロワット、38万9000キロワット、36万キロワットとなった。

さまざまなカテゴリーで見ると、2020年中国のゴミ焼却発電の新設ユニット容量は311万キロワットで、累積ユニット容量は1533万キロワットに達した。また同報告書では、国内の生活ゴミの清掃と輸送量と無害化処理率が増加し、ゴミ焼却発電の需要も高まっていると指摘している。生活ゴミの収納と処理に対応するため、ゴミ焼却発電市場が東部地域から中西部地域及び郷鎮に広がっているにつれて、ゴミ焼却量も増加している。農林バイオマス発電に関して、2020年の新設ユニット容量は217万キロワット、累積ユニイト容量は1330万キロワットに達した。同報告によると、2018年以降、再生可能エネルギー補助金の給付遅延が続いたため、農林バイオマス発電プロジェクトの利用時間は年々減少している。統計によると、2019年国内で5000時間以上のプロジェクトは188件あり、総ユニット容量は526万キロワットだった。同報告は、全国の約半数のプロジェクが依然として電気料金補助金の給付遅延でも正常に運営されていると判断している。

同報告は特に、中国のバイオマス発電産業の発展は依然として大きな課題に直面しており、ゴミ焼却発電は依然として区域発展の不均衡にあると強調している。ゴミ処理費の「低価偏り」の背景は電気料金補助金への依存度が高過ぎるためだ。また、一部の地域では農林バイオマス発電の不合理な分配が依然として存在し、原材料の供給確保が困難で、一部の発電プロジェクトではコージェネレーション(熱電並産)の転換のための改造やアップグレードは困難とも述べている。

同報告は、「第14次5カ年計画」期間中に、中国の農林バイオマス発電の新設ユニット容量は370万キロワット、総ユニット容量は1700万キロワット、ゴミ焼却発電量は670万キロワット、総ユニット容量は2200万キロワットに達すると予想している。

■筆者プロフィール:内藤 康行

1950年生まれ。横浜在住。中学生時代、図書館で「西遊記」を読後、中国に興味を持ち、台湾で中国語を学ぶ。以来40年近く中国との関わりを持ち現在に至る。中国の環境全般と環境(水、大気、土壌)に関わるビジネスを専門とするコンサルタント、中国環境事情リサーチャーとして情報を発信している。著書に「中国水ビジネス市場における水ビジネスメジャーの現状」(用水と廃水2016・9)、「中国水ビジネス産業の現状と今後の方向性」(用水と廃水2016・3)、「中国の農村汚染の現状と対策」(CWR定期レポ)など。

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