人民網日本語版 2021年5月22日(土) 7時30分
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内閣府は18日、2021年1-3月の経済関連データを発表した。そのうち特に注目を集めたのは国内総生産だ。写真は東京。
内閣府は18日、2021年第1四半期(1-3月)の経済関連データを発表した。そのうち特に注目を集めたのは国内総生産(GDP)で、物価変動の影響を考慮した実質値で前期比1.3%減少し、年率換算で5.1%減となり、減少幅は予測値の4.5%を上回った。
全国日本経済学会の副会長を務める上海対外経貿大学日本経済研究センターの陳子雷(チェン・ズーレイ)センター長は「発表されたデータは意外ではなかった」とした上で、「大幅減少は予想の範囲内だった。中でも経済をけん引するトロイカ(投資、消費、輸出)のうち、輸出と消費が大幅に落ち込んだ主な原因は、やはり(新型コロナウイルス感染症を受けた)2回目の緊急事態宣言だろう」と述べた。
■警鐘を鳴らす「トロイカ」
昨年に1回目の緊急事態宣言が発出されると、日本の第2四半期(4-6月)のGDPも減少し、年率換算でマイナス29.3%になり、過去最低を更新した。宣言が解除されると、日本経済は急速に回復し、第3四半期(7-9月)のGDP成長率は年率で22.8%になった。この数字は52年ぶり最高の成長率だっただけでなく、4四半期ぶりの前期比上昇でもあった。第4四半期(10-12月)は年率で11.7%に低下した。
今回のGDPデータが発表される前、日本経済界には悲観的な見方が広がっていた。第2四半期の成長率は同じように緊急事態宣言が出されていた昨年第2四半期に比べれば改善したものの、実際には3四半期ぶりの低下だった。
このうち国内需要は前期比1.1%減で、年率換算で同4.3%減だった。個人消費は前期比1.4%減で、2四半期ぶりの減少だった。昨年の第3四半期と第4四半期の個人消費はともにプラスの成長率を達成し、前期比で第3四半期は5.1%、第4四半期は2.2%となった。
三井住友トラスト・アセットマネジメントの押久保直也シニアエコノミストは、「緊急事態宣言の期間に、個人消費が極めて大きく制限され、特にサービス業分野で制限された。これが同期の経済低迷の主要因の1つでもある」と指摘した。
この数多くのデータの中で唯一の好材料は、同期の輸出入が共にプラスになったことだ。うち輸出は前期比2.3%増加し、輸入も同4%増加した。陳氏は、「これは主に中国経済が世界の中で真っ先に回復を遂げたことによるものだ。感染症は日本経済の対中依存度を高めた」との見方を示した。
陳氏の判断では、「日本は今も3回目の緊急事態宣言の中にあり、第2四半期の経済がマイナス成長になる確率もかなり高く、どれくらいのマイナスかという問題だけだ。第3四半期に五輪・パラリンピックの経済効果が現れるかどうか、今はまだ判断できないが、インフレの再現は避けられないだろう」という。
■経済回復は2大要因を見るべき
陳氏は、「ワクチンの日本での普及ペースと日本政府の変異ウイルスへの対策効果が、日本経済が回復できるかどうかを決定する2大要因だ」との見方を示した。
日本が3月21日で2回目の緊急事態宣言を全面的に解除してからしばらくして、変異ウイルスにより感染者数が再び増加に転じ、日本は4月23日に一部地域で3回目の緊急事態宣言を発出した。感染症が落ち着く兆しが見えないため、日本政府は東京都、大阪府、京都府、兵庫県の緊急事態宣言の期間を当初の予定より2週間延長して5月31日までとした。その後、愛知県、福岡県、北海道、岡山県、広島県も対象地域に加えた。これにより、緊急事態宣言の範囲は9都道府県に拡大した。
一方では、爆発的勢いの第4波がやって来たにもかかわらず、もう一方では日本でワクチン接種がなかなか進んでいない。英オックスフォード大学などがこのほどまとめた調査結果によると、日本ではワクチンの1回目の接種を終えた人だけでも約3%にとどまり、世界の平均レベルの9%に及ばず、主要7カ国(G7)の平均水準にもはるかに及ばない。
厚生労働省が発表した計画では、日本の新型コロナワクチン接種は3段階で臨むとし、2月17日には感染症対策の第一線で奮闘する医療従事者約4万人の接種をスタートし、次は65歳以上の高齢者、最後に一般の人に対する大規模接種を行うとしていた。
そうして接種は始まったものの、注射器の不足、輸入ワクチンの供給不足、人々のワクチン接種に対する懸念などにより、接種計画は停滞して前に進まない。陳氏は、「もともと(日本の)経済成長はワクチンの普及状況によると見られていたが、現在の状況から考えて、接種状況を見るだけでは不十分で、変異ウイルスへの対策も下半期日本経済の回復のカギを握る変数になる」と述べた。
変異した新型コロナウイルスは、日本の感染状況拡大の元凶と見なされている。現在、日本国内では英国型、ブラジル型、南アフリカ型、インド型の4種類の変異ウイルスが確認されている。国立感染症研究所が12日に厚労省で開催した専門家会議で報告された分析結果によると、日本国内の新型コロナウイルスの90%が従来型から感染力のより強いN501Yの変異ウイルスに置き換わった。変異ウイルスは重症化のリスクが従来型の1.4倍になるという。
厚労省のデータを見ると、5月12日現在、日本各地で医療システムが逼迫している。うち新型コロナウイルス感染症による病床使用率は、「震源の真上にある」とされる大阪ですでに82.5%に達し、続く岡山は75%、福岡は70.7%だ。首都東京は43.7%を維持している。重症病床の使用率は兵庫が81.5%に達し、大阪の68.9%を上回る。東京は現在45.8%になっている。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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