中国は米中対決回避を最優先、日本はアドバイザーに=新疆問題「まず現地訪問を!」―朱建栄教授

Record China    2021年5月26日(水) 7時50分

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中国の政治外交に詳しい朱建栄・東洋学園大学教授が日本記者クラブで講演。バイデン米政権下における米中・日中関係や新疆ウイグル自治区の人権問題などについて語った。

2021年5月25日、中国の政治外交に詳しい朱建栄・東洋学園大学教授が日本記者クラブで講演。バイデン米政権下における米中・日中関係や新疆ウイグル自治区の人権問題などについて語った。

朱建栄氏は、米中関係は目下「腹の探り合い」「陣取り合戦」の段階と指摘。中国は対決・決裂回避を最優先し、「対等な関係改善」に向けたメッセージを米側に送っているという。 また日本に対し「中国に対する建設的なアドバイザー役になってほしい」と要望した。

このほか朱教授は中国の新疆ウイグル自治区で「職業訓練」と称して多数のウイグル人が収容所に入れられて人権侵害が発生しているとの欧米諸国の批判について、「一部の先進国は中国に対して偏見を抱いている」「新疆問題の誇大宣伝の背景には、中国の台頭を食い止めるための米国の戦略があり、新疆ウイグル自治区で100万人以上が強制収容所に拘禁されているなどの嘘が、証拠なしで流布されている」と反論。外交官や新聞記者は「実際に新疆に行って実態を調査してほしい」と呼びかけた。

朱建栄教授は2003年1月~ 2013年4月、日本華人教授会議代表を務めた。 同教授の発言要旨は次の通り。

◆バイデン大統領と中国

中国が米国の最大の競争相手であるとの認識はトランプ前政権から継承されている。ただ中国を本気で脅威と考える一面と、中国を理由に国内をまとめ、政策を通しやすくするための計算もある。バイデン政権は中国の体制打倒を目指さず、個々の分野で注文を付ける。競争するが協調もあると明言している。

米政権は来年末の中間選挙まで、コロナ克服、分断修復、経済復興に政策の重点を置かざるを得ない。対中外交は「攻めをもって守りとする」スタンス。同盟を重視し、人権問題などで中国をけん制するが、地球温暖化、経済秩序の再建、北朝鮮問題などでは協力する。アンカレッジでの外交トップ会談、ケリー特使の訪中など、米中関係は「腹の探り合い」「陣取り合戦」の段階だが、中国は対決・決裂回避を最優先。「対等な関係改善」に向けたメッセージを米側に送っている。

◆日本の対中スタンスへの4つの提言

日本は以下の4点に留意すべきである。 (1)中国は簡単には崩壊しない。米中2強の時代は不可避というビッグトレンドを感情抜きに把握し、情勢判断の前提とする。 (2)米中対立の過程で「渦中の栗」を拾わない。最近の米国のリップサービスは、日本を中国との対抗の最前線に追いやる計算が丸見え(日本列島にミサイル防衛システムの構築、台湾防衛に日本を巻き込むなど)。中国の「尖閣諸島の奪取」はメリットがない上に国際的な反発を受けるのであり得ない。 (3)AI・ビッグデータの「独裁利用」との見方に流されて、新技術革命の本質を見誤り、日本自身の取り組みを怠っていないか。中国のIT技術と日本の実態技術が結合すれば東洋は真に西洋を逆転することができる。 (4)中国に対する「建設的なアドバイザー」を務めるべきだ。メンツにこだわる中国だが、内心、世界の「作法」をもっと習得し、尊敬されたいと考えている。東洋と西洋を兼ねる日本は一番助言できる立場にある。メルケル首相を見習うべきである。

◆新疆ウイグル人権問題

新疆の人権問題が急浮上した背景にはテロ活動の激化と米国の介入がある。「9・11」(米国同時多発テロ)以降、新疆を含む中央アジア地域で、「テロリズム」「分裂主義」「宗教的極端主義」が台頭。中国と中央アジア諸国が協力して対策を強化。「再教育センター」もその一環である。

一部の先進国は中国に対して偏見を抱いており、新疆問題の誇大宣伝の背景には、中国の台頭を食い止めるための米国の戦略があり、新疆ウイグル自治区で100万人以上が強制収容所に拘禁されているなどの嘘が、証拠なしで流布されている。

新疆では「再就職支援教育」が実施された。テロの温床は貧困にあるとの認識から「就職技能教育」も大規模に進められた。それをテロ抑止の施設と意図的に混同して「100万人強制収容」の作り話に繋がった。テロ抑止施設は2016年まであったが、現在はなくなっている。2019年には中央アジア諸国の人たちも含め2億人の観光客が新疆を訪問した。

私は新疆を3回訪れたが、行くたびに日進月歩の発展に驚く。SNSが発達した今日、新疆の真実を誰も隠せない。各国の外交使節が新疆訪問後に行った証言を読むと「100万人強制収容所」などは虚言であることが分かる。

新疆ウイグル自治区では反テロ、民族融合、生活向上など問題がないわけではない。中国は今、Nation State(国民国家)の形成過程にある。中国は過剰な警戒にとどまらず、新疆の実態を世界にもっと見せるべきだ。十数年前は「チベット抑圧論」が盛んだったが、チベット鉄道の開通で外国人観光客が増え、非難が下火になった。

日本人は「シルクロード」に憧れがあり、新疆への訪問や経済交流も多い。もっと新疆問題を客観的に捉えれば、中国と欧米の意思疎通の懸け橋にもなれる。

実際に新疆に行けば真実が分かるはずである。日本も含め外交官や新聞記者が訪問し自分の眼で確かめるべきである。今何も見に行かないでアメリカが作った話だけで判断するのは偏っている。

中立的な青年を通訳に使って、今日本が踏み出して真実をつきとめていただければいいと思う。日本の元駐中国大使は新疆問題でも(中国の言い分は)8割は間違っていないと言っていた。中国は(新疆訪問者を)もっと受け入れる必要がある。日本は新彊についても実態を把握し建設的なアドバイザーになるべきだ。(八牧浩行

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