Record China 2021年5月29日(土) 15時20分
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菅内閣について、中国メディアは「戦術と戦略」の両面で苦境と報道。戦術面は新型コロナ対策で、戦略面は「戦後日本の弊害が蓄積された結果」との見方を示した。東京銀座
支持率低下に苦しむ菅義偉内閣について、中国メディアは「戦術と戦略の両面で苦境を迎えている」と報じた。戦術面はワクチン接種の遅れなど後手に回る新型コロナウイルス感染症対策で、戦略面は「戦後日本の政治体制の弊害が長期的に発展・蓄積された結果」との見方を示した。
中国網は菅内閣に関して陳友駿・上海国際問題研究院研究員が執筆した記事を掲載。戦術的な問題では、まず「新型コロナウイルスの対応」を挙げた。
この中では「日本の多数の国民は現在、政府の感染対策に不満を抱いており、さらには失望と倦怠(けんたい)の『政治疲れ』が生じている」と指摘。ワクチン接種の遅れもあり、「日本国内の感染状況は全体的に効果的にコントロールされておらず、一部地域では広く感染拡大している。今後の感染状況は依然として不確実だ」と述べた。
記事は続いて「経済回復の取り組みが弱く、短期間内に顕著な効果を上げられない」と言及。「感染症が猛威を振るう中、経済の着実な回復の実現は菅政権が必要な政治資本を得るための重要な手段の一つであるが、菅政権が提出した成績表は理想的なものではなかった。多くの補償的な経済政策も決定の遅れや予算不足により批判を浴びており、政府はマクロ経済発展の調整の『絶好の時期』を失している」とした。
3点目は「東京五輪問題」。「日本で感染状況が依然として深刻であるにもかかわらず五輪を開催すれば、政治的な評価を高められるかもしれないが、支持率をさらに失うことは間違いない」と断言。「この三つの矛盾のうち、中心的な問題は新型コロナ対策で、経済と五輪は派生的な問題だ。菅政権が順調かつ着実に感染症の試練を克服し、日本の衛生安全を保証し、国民の基本的な健康の需要を満たせるかに(政権の先行きが)左右される」と予測した。
戦略的な問題では「菅政権は戦後日本の保守型政府の伝統的な苦境から脱却しておらず、対米政策および発展の間で必要なバランスを完全に失っている」と論評。「前任の安倍晋三氏と比べると、菅氏は首相としては個性と十分な政治的魅力がなく、自身の政策の特徴がないとされている。政権の延命を図る、もしくは政治的な評価を維持するため、菅政権はほぼ無条件に米国の需要を満たすことを選択し、それに基づき日本の対外政策、特に地域政策を策定・実行している」とやり玉に挙げた。
その結果、「菅政権は外交面で常に『独立性』という根本的な問題を解消しておらず、必要な自主性が乏しい」と分析。対中政策の「米国追従」を暗に批判した。(編集/日向)
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