米国が“強制労働”理由に中国企業の漁獲物を差し止め、中国報道官「どの口が言う」—中国メディア

Record China    2021年5月30日(日) 22時20分

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中国メディアの観察者網は29日付で、「『強制労働』口実に、米国税関が中国の海産物を差し押さえた」と題する記事を発表した。

中国メディアの観察者網は29日付で、「『強制労働』口実に、米国税関が中国の海産物を差し押さえた」と題する記事を発表した。米国はこれまでも「強制労働の存在」を理由に、中国の綿花やトマト及び関連製品の輸入を禁止してきた。中国外交部の趙立堅報道官は、米国は労働関連の条約の批准件数が低い国と批判している。

米国税関・国境警備局(CBP)関係者は、中国企業の大連海洋漁業集団が保有または使用する漁船32隻について、調査の結果、乗組員に対する暴力や給料差し押さえ、活動の制限などの「強制労働」が存在したことが判明したと発表した。乗組員の大部分はインドネシア人という。

観察者網によれば、CBPのベテラン官員であるトロイ・ミラー氏はCBPについて「『「強制労働」』についての法執行を行う全世界の牽引(けんいん)者」であり、漁獲物の差し止めは「立場が弱い労働者を保護し、米国の漁業従事者と海産物関連業者に『公平な環境』を創出する」と述べたという。

差し止めの対象になった商品はマグロやメカジキなど。大連海洋漁業集団はマグロの超低温処理などに力を入れてきた。主要な市場は日本で、米国市場への2020年度における売上高は23万3000ドル(約2600万円)しかなかった。

ただし同社は現在、重大な経営危機に直面している。18年の米国への売上高は2160万ドル(約24億円)だったので、経営危機を乗り越えれば対米売上高が急増する可能性があったという。

米国が中国から輸入した海産物は、18年には30億ドル(約3300億円)近くに達した。しかし20年にはトランプ政権の関税政策の影響を受け、16億ドル(約18億円)程度に落ち込んだ。

記事は、「米国政府が、『自分の状況を他人にあてはめる』ことをして、全世界に『強制労働』のレッテルの卸売りをしたのは、これが初めてではない。実際には、『強制労働』の分野で、米国こそが典型的な反面教師だ」と論じた上で、中国外交部の趙立堅報道官の最近の発言を紹介した。

趙報道官は、「米国は現在に至るまで、労働関連の国際条約を14件しか批准していない。労働組合に関連する8件の中核的な国際条約で、米国が批准したのは2件だ。米国は世界で最も発達した国でありながら、国際条約の批准がかなり少ない国の一つだ」「関連する労働組合の国際的組織の報告によれば、米国には組織的な労働者の権利侵害問題が存在しており、主要先進国の中で実体が最も劣っている」などと述べたという。(翻訳・編集/如月隼人

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