国境都市・黒河、「万国の商業都市」から「一帯一路」の重要窓口に―中国

人民網日本語版    2021年6月11日(金) 12時40分

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中国東北部の辺境にある黒河市は、最も北に位置する最大の地級市であり、ロシア極東地域第3の都市——アムール州の州都ブラゴヴェシチェンスク市と非常に近い距離にあり、黒竜江を隔てて向かい合う。

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中国東北部の辺境にある黒河市は、最も北に位置する最大の地級市(省と県の中間にある行政単位)であり、ロシア極東地域第3の都市——アムール州の州都ブラゴヴェシチェンスク市と非常に近い距離にあり、黒竜江を隔てて向かい合う。ヨーロッパ文明とアジア文明はここで調和的で緩やかにぶつかり合った。

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黒河は1920年代にはすでに、中国とロシア(旧ソ連)が貿易、金融、文化、輸送で協力を展開する上での中心的都市になり、「万国の商業都市」と呼ばれていた。現在の黒河は、対外開放をより広く、より深く積極的に拡大し、「一帯一路」(the Belt and Road)の北に向けた開放の重要な窓口になっている。

人民網の多言語コンバージド・メディアの「看見中国」の取材チームがこのほど、黒河を訪れた。

黒河とブラゴヴェシチェンスクは中ロ国境線を挟んで向かい合う都市としては、規模が最大で、距離が最も近く、グレードも最も高い都市であり、一番近いところの距離はわずか650メートルだ。長年にわたる対外交流の中で、黒河のあちらこちらにロシアの要素が深く入り込んでおり、市街地の大きな通りを歩けば、中国語・ロシア語併記の看板がずらりと並び、いたるところに中ロ国境貿易・観光を手がける店がある。観光客は1-2日間のツアーを申し込むことができ、船に乗って10分も行けばブラゴヴェシチェンスクの通関地にたどり着き、国境を越えて異国の旅を楽しめる。

中国の北に向けた開放の最先端、中ロの重要な通関地として、黒河の鉄道、航空、水上輸送などは交差しながらロシアに通じ、中ロの地方都市間の相互接続を実現するとともに、北東アジアに広がる国際交通輸送の新たなターミナルを形成している。

2019年7月、世界初の国境をまたがって運行する旅客輸送ロープウェイプロジェクトの黒河-ブラゴヴェシチェンスクロープウェイの工事がスタートした。この空中ルートにより通関時間は8分間に短縮される。

2020年1月、中ロ国境を流れる黒竜江に初めてかかった道路橋——中ロ黒竜江大橋が検査に合格した。中国側の端は新たに建設された黒河税関ビルに連結し、車両の通行が始まると人と貨物を別々に検査するスピード通関が実現する。将来の経済貿易往来や人の移動、観光などは、この橋を通じてロシア極東エリアに入り、北東アジアに向かうことになり、年間を通してスムーズな通関が可能になる。

2019年9月17日、中国(黒竜江)自由貿易試験区黒河エリアが発足し、中国最北端の自由貿易エリアになった。ハルビンエリア、綏芬河エリアとともに、中央政府の東北の全面的振興・全方位的振興を推進し、北に向けた開放の重要な窓口を建設するという全体的構造を構成している。

現在、黒河エリアで登録された企業は797社に上り、登録資本金は50億元(約850億円)に上り、重点プロジェクト24件が建設をスタートした。今年上半期には、固定資産投資が前年同期比18.5%増加し、オンライン企業誘致活動などを通じてプロジェクトに調印した企業は42社に上り、1億元(約17億円)を超えるプロジェクトが8件ある。

「辺境貿易+EC」が、黒河の打ち出そうとしている重点産業プロジェクトであり、「インターネット+」の形を運用して、国境地域の住民の起業をけん引する。

黒河エリア管理委員会の張海鵬(ジャン・ハイポン)副会長は、「現在の新業態と新経済(ニューエコノミー)をめぐり、私たちは辺境貿易とネット有名人によるライブコマース、オンラインとオフラインの融合、越境EC、越境物流などの分野で積極的に模索している」と述べた。

黒河エリア商務局の張波局長は、「すでにECパークが一定の規模を備え、ライブコマースも盛んに行われている。アイスクリームのコーン、ロシア風ピクルス、ロシアのブラックチョコレート、ネットで人気の西瓜グミなどはどれも爆発的な人気商品だ。最もすごい若い男性は、ロシア風ソーセージという一つの商品だけで1カ月で4000万本以上売り上げた」と話した。

ロシアの食品を扱う俄品多商城の景権(ジン・チュエン)社長も、「感染症期間中にO2O(オンラインツーオフライン)の優位性を肌で感じた。今年9月1日には通年の売り上げ目標の1億2000万元(約20億4000万円)を突破し、流れに逆らって成長を達成した。現在のショート動画とライブコマースを合わせた売り上げは総売上の70%に達する。特に感染症期間中に、このモデルはグルメの顧客に大人気だった。顧客たちは商品の特徴や味を十分に理解した上で、自分の欲しいものを正しく選択できるようになった」と述べた。

黒河エリア管理委員会政策法規局の尹紅梅(イン・ホンメイ)局長は将来の産業計画の発展方向について、「黒河自由貿易エリアは7つの越境産業の構築に力を入れていく——越境エネルギー資源協力産業、グリーン食品加工産業、越境木材産業、越境電気機械加工産業、越境新型製薬産業、越境観光・ヘルスケア産業、自動車高緯度寒冷地テスト産業の7つで、中国最北端の自由貿易試験区の対外開放協力をめぐる新たな先端地域を形成する」と述べた。

張氏は、「黒河は日本、韓国とグリーン食品、生薬、観光、ヘルスケアの分野で協力プロジェクトを展開する。カザフスタン、タジキスタン、ポーランド、セルビアといった国とも食品や農業などの分野で科学研究協力を展開する。同時に、中国国内の多くの企業が私たちとマッチングを行っており、黒河を通じてドイツ、フランス、スペインなどの欧州諸国と越境ECをめぐる一連の協力を展開したいとしている」と説明した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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