香港の歌手で女優カレン・モク（莫文蔚）の最新シングルMVで、ドルチェ＆ガッバーナ（D&G）のドレスを着ていることが問題視され、配信中止を発表する騒ぎとなった。

カレン・モクが2000年のリリース曲をリニューアルした「婦女新知2021」のMVでは、次々と衣装を取り替える演出がされているが、その中の色鮮やかな一着がドルチェ＆ガッバーナのものだったことから、中国版ツイッター・微博（ウェイボー）で問題視する声が上がったもの。12日には一時、ウェイボーの検索ワードランキングで1位となった。

ドルチェ＆ガッバーナの「華人蔑視」にまつわる騒動が世界的な話題になったのは18年のこと。同社のプロモーション動画で、中国人女性モデルが箸を使ってパスタやピザを食べようとする場面や、中国式発音の英語ナレーションが不快だと批判の声が上がったほか、同社デザイナーのステファノ・ガッバーナ氏による侮蔑発言も怒りを買うことに。ネットではボイコット運動が巻き起こり、ショッピングサイトから一斉に同社の商品が姿を消した。

今回、カレン・モクがドルチェ＆ガッバーナのドレスを着用したことで、不適切だと指摘する声や、「金もうけのためなら見境がない」「一瞬で嫌いになった」とカレン・モク個人を攻撃する声も噴出。12日、カレン・モクの公式ウェイボーでは問題のMVの配信中止を発表し、「視聴者の方々に不快な思いをさせた」と謝罪している。

同じく12日、「婦女新知2021」のMVを担当した香港のスタイリスト事務所「Fame Glory」もコメントを発表。「ブランドの起用に慎重さを欠いたことで重大なミスを犯し、カレン・モク氏に多大な迷惑をかけた」として謝罪を行っている。（Mathilda）