人民網日本語版 2021年6月15日(火) 16時50分
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5月30日、アジアゾウ15頭が洛河郷大弯村尖山哨坡の近くに移動してきた。農業従事者は外に出なければ、畑でトマトを収穫できない。スタッフも村から出て、倉庫に行って荷造りすることができなかった。
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客「注文したミニトマトがまだ発送されてませんけど」
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店「ゾウが来たからです」
毛さんは淘特(淘宝<タオバオ>の特価品サイト>)プラットフォームで生鮮食料品を扱う業者で、産地直送の店舗を経営し、雲南省のさまざまな農産物を販売している。ミニポテト、枝豆、唐辛子、ミニトマトの栽培農家と梱包スタッフはほぼ全員同省玉渓市紅塔区洛河郷で暮らしている。
5月30日午後6時10分、アジアゾウ15頭が洛河郷大弯村尖山哨坡の近くに移動してきた。毛さんは、「政府から外出しないよう事前に通知があった。現地の人はみんなゾウがこっちにやって来る様子を確かめた」と話した。
しかし農業従事者は外に出なければ、畑でトマトを収穫できない。スタッフも村から出て、倉庫に行って荷造りすることができなかった。
毛さんは、「トマトに影響が出ただけでなく、サヤエンドウもこの辺一帯で栽培している。農家が栽培し、私たちが買い取って販売しているが、畑に出てゾウと鉢合わせしたら危険だ。スタッフも外に出て荷造りして、それから発送する手順になっている。外に出られなければ、野菜は発送できない」と話した。
淘特プラットフォームの要請によると、消費者が注文してから、店舗側は48時間以内に商品を発送しなくてはならない。しかし、ゾウの群れが玉渓市をあちこち移動している間、洛河郷一帯でEC企業への調達を請け負う張さんは、「前後約10日間、ミニトマトの収穫ができなかった」という。
毛さんの店舗だけでも、3万件以上の発送の遅延に直面している。毛さんの大まかな計算では、発送の遅延による賠償額が10万元(約170万円)に上り、「うちにとっては大きな出費なので、淘特プラットフォームと連絡を取った」という。
淘特事業部生鮮食品類の梱包スタッフの方恬蕊さんは、「今は店舗が北に移動するゾウの群れで損失をもたらし賠償に関わるのは一部の業者に限る。ゾウによる商品発送への影響は突発的な事態であることを考慮して、プラットフォーム側から賠償を主体的に行っている。今後も業者側にこの状況による影響が出た場合は、具体的な状況に基づいて具体的に分析していく」と話した。
ECへの影響だけでなく、移動する象の群れはこれまで農作物に直接損害を与えている。ゾウの出没による農作物の損失は、「野生動物保護法」に基づいて、現地政府が賠償する。
雲南省では野生動物による被害が比較的多く、同省林業庁は2009年末にアジアゾウをめぐる公衆への損害賠償責任保険の業務構想を打ち出し、10年には西双版納(シーサンパンナ)などのエリアでテスト事業を展開し、商業保険モデルを導入し、補償メカニズムを整えた。
中国太平洋財産保険の雲南支社非自動車保険損害賠償部の責任者の高海さんは、「2010年に、全国初の野生動物による事故の損害賠償責任保険の保障が始まり、主にアジアゾウによる農家の一部の被害を補償するようになった。2011年には対象が国の保護を受けるあらゆる野生動物に広がり、2014年には雲南省16州・市に範囲が拡大された」と説明した。
また高さんは、「このアジアゾウ15頭は普洱エリアで368万元(約6256万円)の損失を出している。その大部分を占める昨年の損失分はすでに補償が行われ、今年の分はわずかで、目下、農家の損失状況を確認しているところだ。6月にはすべての保険金払い込みが完了するだろう」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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