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中国の若者はなぜあれほど「国潮」が好きか?ニーズを探り当てる老舗―中国メディア

人民網日本語版    2021年6月22日(火) 6時50分

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天猫がまとめたデータによると、「90後(1990年代生まれ)」は国産品の平均消費額がすでに6000元を超えたという。資料写真。

個性を身にまとうのを好む現代の若者「Z世代」(1995年から2009年までの間に生まれた人)たちは、キッチンにはセルフ火鍋、タニシ麺、アイスコーヒー、プロテインバーが置かれ、「完美日記」の口紅、「瑪麗黛佳」のマスカラ、「花西子」のパウダーなどの国産化粧品を日常的に使用する………天猫(Tmall)がまとめたデータによると、「90後(1990年代生まれ)」は国産品の平均消費額がすでに6000元(1元は約17.2円)を超えたという。「銭江晩報」が伝えた。

「今時の若者は消費の大きな波の上に乗って、1つまた1つと非常にボリュームの大きな消費市場を生み出している」と感慨深げに話す人がいる。若者たちは中国伝統の要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド「国潮」が、なぜこれほど好きなのだろうか。

▼天猫618で勢いある若者たち 755の新ブランドが1日で100万元の売り上げ

若者が熱心に追いかける国産品は、「ブレイクの年」を迎えた。今年の天猫のショッピングイベント「618」には、25万のブランドが参加し、前年同期の2.5倍になった。イベント期間中に初お目見えの新製品140万種類が登場。その中には誕生したばかりの国産品ブランドのものが少なくない。イベント初日の6月1日には、新しく誕生した755ブランドの取引額が100万元を超え、中でも消費者層の新たなニーズを鋭く察知した、ニッチな小規模ブランドが多く、細分化した競争の中でトップを走っている。

阿里研究院の「中国ブランド発展報告2021」によると、「2016年に供給側改革がスタートして以来、新ブランドが年々増加した。2020年の天猫における新ブランドの売上高は2016年の17.9倍になった」という。

▼創業300年以上にしてイノベーション満載の老舗 4000万人の「95後」はネットで購入

天猫プラットフォームのデータ記録によると、創業59年のブランド「大白兎」と創業56年の「美加浄」が手を組み、天猫でミルクキャラメルフレーバーのリップクリームを売り出すと、2秒で完売した。「80後(1980年代生まれ)」と「90後(1990年代生まれ)」が子ども時代に使っていた「六神」とカクテルの「RIO」が手を結び、オーデコロンの香りがするカクテルを売り出すと、これも17秒で完売した。若い新興勢力だけでなく、殻を破って新たな姿を見せる国潮の国産品は、その多くが年月を重ねてますます盛んな老舗によるものだ。

統計データによると、毎年、4000万人の「95後(1995年から1999年生まれ)」が天猫で老舗の商品を購入する。老舗が若者に人気の理由は、長い歴史があり、精巧なつくりの商品を打ち出しているからだけでなく、老舗が時代と歩調を合わせ、新たなニーズに応えているからだ。

若者は重い包丁は使いたがらない。そこで、創業393年になる刃物ブランド「張小泉」は新たな挑戦に踏み出し、なんとキッチンばさみの刃を菜切り包丁と同じ厚さにした。

張小泉の夏乾良社長は、「モノの研究からヒトの研究に移った。『95後』の姿からヒントを得て、異論を排除してとにかく試してみると決めた。菜切り包丁の『たたき切ることも普通に切ることもできる』をコンセプトに、いろんな切り方ができる『キッチンばさみ』を売り出すと大人気商品になった」と振り返った。

ネットで人気の黒ごま団子から化粧品まで、ネットユーザーは喜んで購入している。商品を販売する杭州胡慶余堂集団有限公司の劉俊明社長は、「老舗はもはや『高齢者』や『古くさい』とイコールではなくなり、現代の若者が暮らしの質向上を追い求め消費のレベルアップをはかるためのものになった」ことをはっきり感じるという。

5月24日、天猫「618」プレセールが始まってから1時間で、上海家化連合股フン有限公司(フンはにんべんに分)傘下のスキンケア製品ブランド「玉沢」が初めて人気商品トップ10に入った。6月1日未明にイベントが始まると、わずか1時間で昨年の1日分の売り上げを達成した。またプレセールから現在までの間に、かつて旅客列車で人気があったチキン料理の「徳州扒鶏」が売り出した新ブランド「魯小吉」は、スパイシーな滷味の4種類の商品が0から1への飛躍を達成した。ネットユーザーからは、「老舗で最も成功した新ブランド」と賞賛する声が上がった。

▼ショッピングカートには国産品がいっぱい 若者はなぜ「国潮」が好きなのか

天猫のデータによれば、国産品は今では「90後」、「95後」、「00後(2000年代生まれ)」が消費をするときに真っ先に選ぶものになった。過去1年間に天猫では、「00後」の国産品消費の増加率が最も高く、50%を超えた。現在の若者たちはなぜ、これほど「国潮」を好むのだろうか。

あるネットユーザーは、「国産品の品質はもう海外のビッグブランドに負けていない。デザインもブランド力も海外ブランドに十分太刀打ちできる。新しい国産消費財ブランドは、品質と価格の間で絶妙なバランスを取ることが非常に上手で、若者の心の中にある素晴らしい生活への憧れの一部分を十分に満たすようになった」との見方を示した。

天猫の「国潮」事業責任者の錦雀さんは、「中国人の消費力向上、消費への自信と文化的自信の高まり、産業チェーン・サプライチェーンのさらなる成熟、インターネット環境が整った商業インフラ、国際的視野を持った人材が次世代の起業家になったことなどが、すべて新しい国産品ブランドの爆発的発展のための着実な基礎固めをした」と述べた。

業界では、国産品ブランドが飛躍する舞台の幕は開いたばかりとの見方が広がる。国産品ブランドは「95後」の間で根付き始めたところで、これから徐々に拡大し、やがて「90後」、「80後」、「70後(1970年代生まれ)」の消費観にもゆっくり影響を与えるだろうという。

1つのブランドがネットの一時的な人気者から末永い人気者になれるかどうかは、アクセス量が示す導入の部分を見るだけでなく、人気商品を作り出す能力があるかどうかを見なければならない。錦さんは、「過去10年間は中国の従来の商業、ブランド、業者がインターネットを全面的に取り入れる10年間だった。これからの10年間は、中国ブランドと国産品が生まれ変わる『黄金の10年間』になると確信する」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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