ソウル市瑞草区内谷洞にある朴槿恵（パク・クネ）前大統領の自宅が、公売に付される。6月22日、韓国メディア・ハンギョレが報じた。

記事によると22日、裁判所の競売専門企業であるGGオークションは、朴前大統領の自宅が、8月9日から3日間にわたって行われる韓国資産管理公社の公売に付されることを明らかにした。

韓国資産管理公社に公売を委託したのはソウル中央地検であり、検察は国政壟（ろう）断事件などにより最高裁判所で有罪判決を受けた朴前大統領が罰金と追徴金を自主的に納付しなかったとして、3月に差し押さえを執行していた。

朴前大統領の自宅は2008年に建てられた一軒家で、鑑定価格は31億6554万ウォン（約3億1000万円）とされる。朴前大統領はこの家を、17年4月に28億ウォン（約2億7000万円）で購入していた。土地面積は406平方メートルで、地下1階・地上2階建ての建物の総面積は571平方メートルだという。

売却希望価格に応札が達しなかった場合は、最低価格の10％が低減され一週間後に再び入札が行われるとのこと。GGオークションのイ・ジュヒョン専任研究員は、「賃借人がいないことは分かっているが、公売の場合は競売で利用されるような『引渡命令申し立て制度』がないため、より複雑な『明け渡し訴訟』をしなければならない」とし、「朴前大統領が収監中であることから、落札しても物件を引き継ぐまで相当な時間を要するだろう」と話しているという。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは、「自宅まで奪うの？。むしろ朴前大統領が気の毒に思える」「ホームレスになるんだな…」「直接顔を見たこともないけど、人として胸が痛む。罪といっても昼夜を問わず働いて国のことを考えてただけなのに」「金がないのに罰金なんて払えないよ。4年間国のために働いたのに退職金も年金も出ないし、ためた財産もない」など、朴前大統領に同情する声が寄せられている。

一方で「あれほど悪質に権力を乱用した人の最後がどうなるのか、しっかり見ておこう」「朴前大統領の支持者が購入して返してあげるから大丈夫でしょ」など、冷ややかなコメントも見られた。（翻訳・編集/丸山）