2次元関連グッズが若者の間で大人気に、転売で高騰するケースも―中国

人民網日本語版    2021年7月31日(土) 23時30分

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2次元関連グッズが若者の間で大人気となっている。

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中国のアートトイメーカー「泡泡瑪特(POP MART)」は、今年6月18日に開催されたネット通販セール「618」では、売り上げが絶好調となった。例えば、ショッピングサイト・天猫では、イベント開幕後1時間の売上高が前年比1794%増を記録した。1シリーズ全部を集めたいという若者の心をつかんだ「ブラインドボックス」を武器に、POP MARTは昨年、香港地区で上場し、時価総額は1兆円を超えた。また、新しいものにはなんとかついていきたいと考える中年の人々の心をもつかんだ。このようにコレクションというジャンルにおいては、ブラインドボックスは決して珍しいものではなく定番中の定番であるにもかかわらず、驚きの人気ぶりを示している。

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コミュニティサイト・豆瓣をみただけでも、コインやスターバックスのマグカップ、ケンタッキーマクドナルドの景品のおもちゃ、銀行のカードなど、さまざまな規模のコレクション系サークルが数十グループある。一見するとなぜこんなものを集めるのか?と思わずにいはいられないこれらの今の若者のコレクションの中でも、最も話題性を集めているのはやはり2次元(アニメ漫画・ゲームなどを総じたジャンル)関連のグッズだ。

ひと昔前なら切手やコイン、美術品などをコレクションする人が多かったものの、今の若者たちは、トレーディングカードやフィギュア、アートトイなどを自分たちの「新たなアンティーク」とみなし、コレクションしている。

米国のケンタッキーの創始者らは、数十年後に、遥か彼方の中国で、ケンタッキーのバーレルを手に入れるために、若者らが徹夜で列を作る日が来ようとは想像だにしていなかっただろう。

指定したセットを買うのも、限定メダルを手に入れるのもそれほど難しいことではないのに、バーレルがなかなか手に入らない争奪戦の対象になったその理由は、人気オンラインゲーム「原神」のキャラクターがそこに描かれているからだ。それは「原神バーレル」と呼ばれ、数量限定で提供された。実店舗で、「原神バーレル」を指定しなければ、普通の紙製のバーレル、または紙製の袋でチキンが提供された。それで、深セン上海などのケンタッキーでは、「原神」のプレイヤーたちが徹夜で列を作り、フリマアプリ・閑魚では、「原神バーレル」を売りに出す人が続出し、その価格は当初の数元、十数元から、600元にまで高騰し、「バーレルのショータイム」とさえ呼ばれようになった。

ネット上で転売行為を行うベテランの「転売ヤー」たちにとっては、「原神バーレル」の高騰は偶発的なケースに過ぎず、2次元関連のメーカーが次々と参入している2次元関連商品こそが、今後の主戦場となりそうだ。

ゲームアプリ「アークナイツ」がリリースされて2年のうちに、開発会社の鷹角(Hypergryph)は、公式設定集を発売。259元という定価は決して安くないものの、発売から1時間で、10万冊が売れた。「原神」の星4のキャラクター凝光(ギョウコウ)のフィギュアは、1セット1299元で、予約金が240元。1万1000セット以上売れた。さらに、間もなくリリースされる星5のキャラクター・莫娜(モナ)のフィギュアも、大ヒット商品となると見込まれている。

青年文化のキーワードというと、「サークル化」が必ずランク入りするだろう。同じ趣味を持つ人々が小さなサークルを作って集まり、そこに転売ヤーが商機を求めるのが「サークル化」だ。

1枚200元で手に入れたスポーツカードが1年後に2万元に高騰するという「神話」に、多くの人が「意味不明」と感じるかもしれない。あるスポーツカードコレクターは、「多くの人が知っている必要はない。1つのサークルがあれば、儲けることができる。数百元で手に入れたカードが、1-2年後には数万元になるということも珍しくない。カードを転売してひと稼ぎしたという人は少なくない」と話す。

スポーツカードやトレーディングカードゲームは小さな紙に過ぎないと思うかもしれないが、若者の間で爆発的人気となっているブラインドボックスも、きれいにパッケージングされたプラスチックの玩具にすぎない。しかし、中に何が入っているか分からず、なかなか手に入らないアイテムもあるため、マニアは、これらを通じて自分の存在意義を確認したり、他の人には持っていないものを持っている自分に満足したりし、こうした人々が集まるサークルができ、そこが価値観を共有できる人と感情的につながる場所となる。その中で、元値の数十倍、ひいては100倍以上の価格でも受け入れる空気ができ、こうした価値観が次々と共有されていくことになる。

トレーディングカードやフィギュアは、転売ヤーが集まる絶好の分野となるものの、ここ数年、青年文化が細分化されるにつれて、人形やミニ四駆、スターバックスのマグカップ、アイドルの関連グッズ、ロリータスカート、きかんしゃトーマスなどを転売する人も出現している。

「ベアブリック」の高騰も、「何でも転売できる」ことを示す最新のケースとなっている。日本のメディコム・トイが2001年に発売したこのクマ型ブロックタイプフィギュアが今年、ネットで人気を集め、3000元で発売されると、たちまち7000~8000元、ひいては1万元にまで高騰するということも珍しくない。そして、ベアブリックの画像をアップするというのが、ブロガーたちが富を誇る方法の一つとなっている。ブロガーがベアブリックを開封する動画やベアブリックにまつわる知識、コレクションを紹介するといったコンテンツが、短期間のうちに大量に作成され、「ベアブリック=財力」という図式のショート動画がどんどん投稿され、話題を集め、しかも人気となっている。また、ベアブリックの限定版が、再販されることはないことも、その転売に拍車をかけている。

「希少価値をあえて生み出す」という方法について、フィギュアのコレクター・Heavenは、「フィギュア界やトレーディングカード界ではそのようなことが何度も行われている。プロの転売ヤーが、安い価格である種のトレーディングカードやフィギュアを買い占め、オークションなどの方法を通して、どんどん値段を吊り上げていくという方法」と説明する。

若者は、資金運用に関して新しい考え方を持っており、それも何でも転売できるという風潮に拍車をかけている。投資の傾向の移り変わりについて、70後(1970年代生まれ)は不動産、80後(80年代生まれ)は株式、90後(90年代まれ)はコインを転売して資産を増やそうとしているが、00後(2000年以降生まれ)は何でも転売すると分析する声もある。

一定の財力と知識を持っていないと、手を出すことができない株式や不動産と比べると、ブラインドボックスやトレーディングカード、フィギュアなどへの投資のハードルは低く、専門的な知識もいらず、数百元やたかだか数千元の元手があれば参入できてしまう。

アートトイ「Molly」のコレクションに夢中になり、それにもう2-3万元使ったというあるコレクターは、「自分の好きな玩具を集めることもできるし、それでお金もうけができてしまうかもしれないなんて、そんなにおいしい話はない」と話す。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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