人民網日本語版 2021年8月6日(金) 5時20分
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五輪という一大イベントを前にして、中小業者は話題の検索トピックへの対応力、製品のイノベーション力、研究開発の技術力によって、内に秘めた「より速く、より高く、より強く」の精神を世界に示した。
東京五輪の射撃女子10メートルエアライフルで中国の楊倩が金メダルを獲得した時に身につけていたアヒルのヘアアクセサリーが淘宝(タオバオ)で爆発的な人気になり、チャンピオンの名言が書かれたラーメン鉢、「私の時代が来た」と書かれたTシャツ、「made in 浙江」の運動器具が東京五輪をきっかけにして人気商品になった。中国新聞網が伝えた。
7月27日、全国の人々が楊倩の金メダル獲得に注目する中、ヘアアクセサリーを扱うZOZO品質髪飾のタオバオ店のオーナーの陳耿平さんは、チャンピオンが髪に付けていたアヒルの髪飾りに目が釘付けになった。「職業的な習慣で、一目見て、これは売れると感じた」。それから1時間後、陳さんの店には同じ商品がアップされた。
この商品の売り上げが1万個を超えた頃、陳さんは販売担当者を浙江省義烏市の日用品取引市場に派遣し、楊のものと同じアヒルの髪飾りとにんじんのチャームがついたヘアゴムを急いで確保した。それだけでなく、提携工場に電話して同じ商品を数万個発注して初めて、陳さんはやっと一息付けたという。それから数日間、ニュース報道と検索人気の急上昇を受けて、複数の小規模メーカーもアヒルの髪飾りが売り上げのピークを迎えた。
義烏のアクセサリー産業ベルトの中で、こういった「時間との戦い」といえる人気商品が登場するのは常態となっている。注目を集める出来事から1時間以内にすぐに関連商品をアップして話題を集め、24時間以内に人気商品の再生産に取りかかり、好調な売れ行きの流れに乗ってオンラインとオフラインの卸売・小売が同時に動くことはよくある。
ある工場の責任者は、「検索で人気の話題は数日たつと古くなり、注文が細分化し、変動が大きくなる。これまで義烏に来る注文の90%以上が対外貿易のためのもので、こうしたケースでは1年前から商品をストックするが、人気検索コンテンツの場合は速さが勝負で、工場は小さなロットでも受注できるように、急ぎの注文も受けられるように調整しなければならない」と説明した。
データによると、現在の義烏のタオバオ店の背後には、2000カ所以上の優良な工場が控え、15万人を超えるアクセサリー関係の従業員が「検索での人気」を見据えて動いている。ここ数日、義烏から出荷されたアヒルの髪飾りはピーク時には1日あたり少なくとも50万個に上り、1秒当たり6個が出荷されたことになる。義烏の業者が動くペースは五輪経済よりも「もっと速く」、五輪に新たな消費理念をもたらしたといえる。
中国の多くの工場がイノベーションと速度を融合させるだけでなく、五輪で活躍した選手たちの名言や世界記録を更新した時間なども、中小業者のインスピレーションの源泉となり、イノベーションの力に満ちた「国潮(中国伝統の要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド)」の新製品が次々に生み出された。
データによると、過去1年間に、個性を表現することを尊ぶ消費者が今やオーダーメイド産業で100億元(約1700億円)の規模に達している。五輪経済は1つの場であり、中小業者の活力の背後には上昇を続けるユーザーのイノベーション力があり、この力があるからこそより高く飛び、より遠くまで行くことができる。
デジタル経済シンクタンクの胡麒牧首席研究員は、「中小業者の活力と健全さのレベルは国民経済発展のバロメーターだ。中小業者の五輪経済における動きは国家の産業発展の活力とイノベーション力も示している。中国の工場には元々整った生産能力があり、消費トレンドのバロメーターと化学反応を起こして、インターネットの『速さ』と中国の工場の『能力』を十分に映し出し、最終的にすべての注目点とアイデアを迅速に現実に変換するとともに、人々の消費意欲を存分に放出させる」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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