米国の元政府高官ら、南北・米朝対話再開を目指す文政権に警告

Record China    2021年8月10日(火) 10時30分

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6日、韓国・朝鮮日報はVOAの報道を引用し「韓国が南北首脳会談を進めても北朝鮮に利用されるだけという公算が大きい」「米国政府は文政権の南北関係改善への試みに大きな意味を置いていない雰囲気だ」と伝えた。

韓国政府が北朝鮮との南北通信回線の復旧を通じ、南北対話、米朝対話の再開を進めようとしている。そうした中、韓国・朝鮮日報は6日、米国際ラジオ放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)の報道を引用し「韓国が南北首脳会談を進めても北朝鮮に利用されるだけという公算が大きい」「米国政府は文在寅(ムン・ジェイン)政権の南北関係改善への試みに大きな意味を置いていない雰囲気だ」と伝えた。

記事は複数の元米国政府高官とVOAのインタビュー内容を紹介。それによると、元国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長で、米国戦略国際問題研究所(CSIS)上級副所長を務めるマイケル・グリーン氏は、「南北首脳会談は戦略的ではない」「北朝鮮との対話を始めるために、米韓合同軍事演習の中断や対北朝鮮支援の提供といった重大な妥協を求めて米国を説得することは難しいだろう」などと述べたという。

また、元米筆頭国務次官補代理のエバンズ・リビア氏は「文政権の任期満了が近づき、北朝鮮は『韓国はどんな代価を払っても北朝鮮との関係改善を渇望する』と考え、利用しようとするだろう」「北朝鮮政権が南北関係改善に関心を持っている、そのために努力するだろうと信じるだけの理由がない」と指摘。米国務省顧問、国家情報会議(NIC)グループ員などを務めた米政策研究機関アトランティック・カウンシルのロバート・マニング上級研究員は、「文大統領の任期最後の年に、再度南北首脳会談が行なわれ南北関係を変化させるという証拠が見えない」と述べたという。

このほか、元米国務次官補(核不拡散担当)で現在はブルッキングス研究所上級研究員のロバート・アインホーン氏は「南北首脳会談の効用性は、北朝鮮が南北通信線を復旧し、金正恩(キム・ジョンウン)総書記の妹、与正(ヨジョン)氏が米韓合同軍事演習の中止を求めた動機が何かにかかっている」と指摘。経済事情が逼迫(ひっぱく)し韓国に助けを求め米国との関与を模索するしかないのか、軍事演習のような北朝鮮にとって脅威となる活動を中止させるために文大統領の南北関係改善への思いを利用しようとしているのかを見極める必要があるとし、「後者であれば、金総書記は文大統領に首脳会談を勧め、韓米共助の枠を捨て、核問題に進展がなくても北朝鮮に利となる南北プロジェクトを独自に推進させる手段に見える」と述べたという。

韓国のネットユーザーからは「任期終了前に対話?。次の政権にまかせなよ。ずるずる引きずって、まだ何か与えるつもりか」「就任当初から利用されてばかりいるけど」「利用されるばかりで、得たものは何もない」「特に成果のない会談をやって、5年を無駄に過ごした。5年間何もしていない無能な政府」「不動産問題も解決できない無能な政府に南北問題を解決できるか?」「開城(ケソン)工業団地連絡事務所爆破、韓国公務員射殺天安沈没事件、延坪島砲撃事件、原発ハッキングなどへの謝罪と補償、核放棄、再発防止の保障など、すべきことをしないうちは米1袋でも与えてはならない」などの声が寄せられている。(翻訳・編集/麻江)

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