東京五輪・選手村、最悪の「お・も・て・な・し」―香港メディア亜洲週刊が暴露

亜洲週刊    2021年8月8日(日) 7時0分

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香港・亜洲週刊は、東京五輪大会では選手村の「おもてなし」の問題がきわめて大きいと指摘する記事を発表した。写真は東京オリンピック・パラリンピック選手村。

東京五輪では好成績を収める日本勢の活躍が注目されている。香港・亜洲週刊の東京支局長の毛峰氏の署名入り記事は、日本の好成績を紹介する一方で、選手村の「おもてなし」には問題が極めて大きいと実例を多く挙げて紹介し、「日本の明暗」と形容して報じた。

記事は前半部分で、新型コロナウイルス感染症が深刻な状況でありながら、多くの日本人が東京五輪で日本勢が好調であることに強い関心を示していると紹介。また、日本の東京オリンピック・パラリンピック委員会が、五輪については開催国である有利さを「極大化」し、「金メダル獲得上位3位以内、過去最多」、「メダル合計数は最低30個、可能ならば50個」などの目標を早い時期に打ち出していたと説明した。

記事は、五輪開催と新型コロナの関係について、日本側は「安全で安全な五輪」を約束したと指摘。選手や関係者と外部とを遮断する「バブル方式」で感染を防ぐことを世界と日本国民に約束したと紹介した。しかし実際には、五輪関係者から新型コロナウイルスの感染者が続出していると指摘し、「バブル方式」には重大な抜け穴があったと主張した。

具体的例としては、選手などが選手村、練習場、競技場にしか行けないのに対して、日本の五輪関係者は「封鎖」の対象外。「『バブル』という防備が破れて海外からの選手に害が及ぶことはないと保証できるのか?」と論じた。

東京五輪における外国人の迎え入れについては、2013年の招致プレゼンテーションで、「美しくもの柔らかな滝川クリステルさんが「おもてなし」の名言で日本の素晴らしさを表現たことは、今も人々の記憶に新しい」と振り返った上で、「東京五輪は多くの海外選手の不満を買っている。特に五輪村のお粗末さとサービスの悪さについて、海外の選手はSNSを通じて批判している」と紹介した。

例えば、宿泊部屋に供えられた段ボール製のベッドは幅が90センチ、長さが210センチしかないので、長身の外国人選手にとっては極めて寝心地が悪く、体格が大きな選手は床に寝床をしつらえている場合があるという。

また、空調のリモコンには日本語の表示しかなく、多くの外国人選手にとって理解不能。そのため、入居直後に、「日本語の意味が分かる人がいたら説明してくれ」と、助けを求める文を発信した選手もいたという。記事はまた、宿泊部屋には、通常の旅館などでもあるはずの冷蔵庫が置かれていないことも指摘した。

トイレやシャワールムの天井の高さは2メートルなので、身長が高い選手は普通に立ってシャワーを浴びることができない。これまで五輪大会に9回出場した経験があるというロシアの選手は「私が遭遇した最低の五輪選手村。まるで中世に戻って五輪に出場したみたいだ」とSNSで発信した。

選手村では「洗濯問題」も深刻だ。記事は「スポーツ大会を行えば、選手による大量の洗濯物が出るのは常識。(洗濯物の処理は)東京五輪選手村の最も基本的なサービスだ」と指摘。無料の洗濯サービスが用意されているが、洗濯物を出すためには30分以上の行列せねばならず、洗い終わった衣服を受け取るには4、5時間も並ぶことがあるという。選手が自分で使える洗濯機は各階に3台しか設置されておらず、利用するには長時間待たねばならない。

自らが室内で「足踏み式」で洗濯する様子を投稿した選手もおり、ネットユーザーからは「ワインの仕込みか?」との書き込みがあったという。記事によると、中国の代表団に話を聞いたところ、大量の衣服を洗濯するために人を派遣して外部で洗濯機を何台も購入して、洗濯物をさばいているという。

記事はさらに、選手村では信じられない「客をだます」行為も存在すると主張。選手村内に設置されている自動販売機では、一般の路上に設置されている販売機ならば120円程度、空港や鉄道駅にある販売機ならば160円で販売されている清涼飲料が280円で売られていることを批判した。また、公式マスコットであるミライトワとソメティと共に記念写真を撮ろうとしたところ、5000円の料金が必要と知り、断念した選手もいたという。

感染拡大防止のための「バブル方式」が採用されているだけに、選手が移動する際には、専用バスを利用することになる。選手村ではアプリを開発してバス乗車を予約するようにしたが、このアプリに不具合が続出している。予約したバスが別の試合会場行きだったり、予定の時間に試合会場に到着できなかったり、さらにはアプリの使用そのものができなくなったりしているという。記事は「低級なミス」と表現した。選手村の関係者は仕方なく、紙を貼りだしてバスの予約などを受け付けているという。

記事は、「このひどい状況に対して、組織委員会側は『改善に努力しています』と表明した。しかし一部を改善しても、今回の東京五輪の『おもてなし』についてのマイナスイメージを払拭することはできない。入念で思いやりがあり、心を込めたサービスという日本の『金看板』に泥を塗った」と批判した。(翻訳・編集/如月隼人

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