歌手で俳優のクリス（呉亦凡/ウー・イーファン）に発覚した女性への性的暴行疑惑について、近く配信予定だった主演ドラマ「青簪行」をめぐる混乱も注目されている。

韓国の人気グループEXOの華人メンバーだったクリスに、被害者を名乗る女性の告発によって、未成年者を含む複数の女性への性的暴行疑惑が浮上したのは7月のこと。同月31日、北京市公安局・朝陽分局が運営する中国版ツイッター・新浪微博（ウェイボー）の公式アカウントが、強姦（ごうかん）罪の疑いで刑事拘留中と発表した。

動画配信サービス・騰訊視頻（テンセント）が、今年を代表する大作の一つとして近く配信予定だったのが、クリスと女優ヤン・ズー（楊紫）が主演の時代劇ドラマ「青簪行」だが、今回の騒動が原因で先の見えない状況に。制作費3億元（約51億円）とされる「青簪行」について、このほど中国メディアでは、ドラマの制作側がクリスに対して5億元（約85億円）の損害賠償金を請求するのではないかと報じている。

「青簪行」については制作中から、出演シーンが少なすぎるとクリス側が不満を訴え、ヤン・ズーをメインにしたストーリーに手を加えられたとの情報も浮上していた。クリスの騒動が明るみに出てから、「青簪行」のウェイボーの公式ページでは、クリスに関わる投稿が全削除されている。最近では代役を立てた大幅な撮り直し計画や、その候補として俳優リウ・シュエイー（劉学義）の名前も報じられているが、詳細は明らかになっていない。

中国メディアによると、クリスが拘留されている北京朝陽看守所では、北京衛星テレビが唯一視聴できるチャンネルとなる。同じくEXOでクリスと共にデビューし、現在も所属しているレイ（張芸興/チャン・イーシン）の主演ドラマ「掃黒風暴」が今月9日、同局でオンエアを迎えたが、「レイの姿がまぶしいだろう」「レイを見習っておけばよかったと後悔しているはず」などと、ネットユーザーの間からも声が上がっている。（Mathilda）