Record China 2021年8月11日(水) 8時20分
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米華字メディアの多維新聞は10日、東京五輪をめぐって中国人にある変化が見られたとする英BBCの9日付の報道を伝えた。
記事は、「世界各国が五輪に熱中しているが、それは民族のアイデンティティを結集する絶好の舞台だからだ」と指摘。「それは中国も同じだ」とし、「中国人のオリンピック金メダルへの熱狂は、中国の改革開放後の経済面における世界のトップ企業500への執着と同じだ。この熱狂はスポーツそのものに対して向けられるものではなく、金メダルを通じてアイデンティティを結集し、自信を高めることを急ぐもの。金メダル功利主義はその善悪を問わず、その後の国家に大きな社会的利益をもたらすのである」と論じた。
その上で、「注目すべきは(北京五輪から)13年が過ぎ、中国に多くの変化が起きたことだ」と指摘。「今回の東京五輪では、金メダルのランキングが中国国民の唯一の注目ポイントではなくなった。中国が数日にわたりランキング1位に君臨しても、最終日に米国に逆転されても、多くの議論を巻き起こすことはなかった」とした。
また、今大会で最も注目された選手は陸上男子100メートルの蘇炳添(スー・ビエンティエン)だったとし、「彼は決勝では9秒98で6位だった。銅メダルすら獲得できなかったにもかかわらず、ネットユーザーから『蘇神』と呼ばれた」と説明。「6位の『神』がいるだろうか?。しかし、多くの中国人にとっては6位でも彼らの『神』なのだ」とし、「これは(100メートルが)中国が永遠に金メダルを獲得できないと運命づけられている種目だからだ。そのため、メダルに手が届かずとも中国人は拍手を惜しまなかったのである」とした。
さらに、試合に敗れた選手に対する声にも変化があるとし、女子バレーボールの郎平(ラン・ピン)監督が敗退を涙ながらに謝罪したものの、多くの中国人は「私たちに謝る必要はない」「中国女子バレーボールにはあなたが必要」と励ますコメントを残したことを紹介。また、中国人の65%が「金メダルは重要だが、頑張っている人は称賛に値する」と回答したというデータを引用して、「主要な世論の風向きが目に見えて変化している」と分析した。
そして、「この変化は中国当局にも認められたようで、永遠に金メダルを獲得できないかもしれない蘇が、閉会式で中国代表の旗手に選ばれたのである」と論じた。(翻訳・編集/北田)
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