Record China 2021年8月22日(日) 21時40分
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台湾で、不法輸入されようとしていた猫154匹が殺処分された。多くの人から批判されることになり、蔡英文総統は理解を求める投稿を行った。
台湾では政府・海巡署(日本の海上保安庁に相当)が21日、漁船を利用して不法輸入されようとしていた猫154匹が殺処分されたことが人々の関心を集めた。同日が「国際ホームレス動物の日」だったことも注目を集める要因になった。蔡英文総統はフェイスブックを通じて「心がとても痛む」としながらも、感染症がもたらされるリスクを排除するための、現行法においてはやむを得ない措置として、理解を求めた。
台湾メディアの聯合新聞網によると、海巡署が19日、入手した情報を元に台南市沖を航行していた漁船を検査したところ、大量の猫を積み込んでいることが分かった。いずれもロシアンブルー、ラグドール、ペルシャなどの高額の品種であり、総額は1000万台湾ドル(約3900万円)だったとみられるという。
猫はいずれも正規の検疫手続きを経ていなかったために、海巡署は21日、154匹すべてを殺処分した。すると、フェイスブックで蔡英文総統に対して「あまりも残忍、人情から遠く離れすぎている。あまりにも官僚主義」「猫マニアの私としては8月21日について、心からの残念さと人類としての恥辱感だけが残るでしょう」など、批判の書き込みが相次いだ。
8月21日は、動物虐待に反対する団体である「動物権のための国際協会」(ISAR)が定める「国際ホームレス動物の日」だ。蔡総統も18日付でフェイスブックに「国際ホームレス動物の日」について書き込み「その目的は皆さんに、流浪する動物について大いに関心を持っていただくことです」と書き込んでいた。頼清徳副総統も21日に、遺棄されたペットは悲劇を迎えることになるとして、「ペットを愛する人は捨てないでください」と訴えていた。
蔡総統は21日深夜の日付が替わる時間帯に、「猫154匹の殺処分」についてフェイスブックに書き込んだ。冒頭では、猫の殺処分について「本当につらい事です」などと述べた上で、密輸入をしようとした者に対して「最大限の厳しさで非難します。あなたが個人の私利のために不法行為を行った結果、命が失われることになったのです」と怒りを示した。
一方で、感染症がもたらされるリスクがある以上、国内の動物を保護するために「関連機関が法に基づき、どうしても執行せねばならなかったことです。これが現在の法律の定めです」と理解を求めた。
さらに、「今回の措置に多くの人が不満を持っていることは分かっています」として、感染症の流入を厳格に阻止できることを前提に、柔軟な措置を通じて人道精神と合致させるよう、法を改正する必要があるとの考えを示した。(翻訳・編集/如月隼人)
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