2021年8月25日、観察者網は、ドイツ企業が欧州市場にて中国製品との厳しい競争にさらされているとするドイツのシンクタンクによる研究報告を紹介する記事を掲載した。

記事は、米ブルームバーグの22日付報道として、ドイツ・ケルンにあるIW経済研究所の研究報告を紹介。欧州市場においてドイツの輸出業者が、中国の対欧州輸出品から受けるプレッシャーがますます高まっており、中国の輸出品には機械、薬品、自動車などこれまでドイツ製造業の得意分野とされてきた先進工業製品が含まれているとした。そして、EUが中国から輸入する製品のうち、これらの分野の製品が占める割合は2000年の50．7％から19年には68．2％にまで増加したと伝えている。

また、独紙ヴェルト・アム・ゾンタークが「ドイツの輸出業者は世界で中国との激しい競争に直面しているのみならず、欧州本土市場でも同じ状況に立たされている」とする同研究所の経済学者のコメントを紹介したと報じた。

その上で、メルケル独首相が今年3月に「中国はわれわれがよく知っている競争者、われわれはわれわれの対中政策を持つべきだ。われわれと米国には多くの共通点がある一方で、必ずしも完全一致するわけではないということは明らかだ」と述べ、競争の一方で中国との対話を進める意向を示したほか、フランスのドリアン外相も6月に「中国はG7の敵ではない」とし、中国が競争相手であるとともに協力相手でもあり、中国への対応を多様化すべきだとの見解を示したことを伝えている。（翻訳・編集/川尻）