Record China 2021年8月31日(火) 6時20分
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中国メディアの澎湃は、韓国政府が打ち出す少子対策に効果は望めないとする記事を発表した。しばらくしたら「民族消滅」となることも大げさではないと論じた。
中国メディアの澎湃は、韓国政府が少子化対策として、収入が少ない家庭には第2子以降が大学に入学した場合の学費減免を打ち出した話題を紹介した。このままでは韓国が「民族消滅」になってしまうことも「大袈裟ではない」とした上で、政府の新たな対策については、効果がないことは明らかと主張した。
韓国与党の共に民主党と同国政府は24日、来年の予算についての協議を行った。新型コロナウイルス感染症の対策として予算を大幅に増加することが決められ、具体的な用途の一つとして、第二子以降について大学の学費の減免を強化することが挙げられた。学費免除などを行う対象は収入が低い家庭という。
記事は、韓国統計庁の発表した数字などにもとづき、韓国で2021年に生まれた子のうち、第2子は9万7500人、第3子以降は2万1500人程度になると推定。また、学費免除の対象となる家庭の収入の基準はまだ明らかにされていないので、全体の半分と仮定すれば、今年生まれた子のうち18年後に大学の学費が免除となる対象は約4万2000人になるとした。
記事はさらに、韓国における大学の平均的学費も組み込んで考えれば、韓国政府にとっての1年当たりの支出増は約84億人民元(約1430億円)であり、予算増は3.2%であることから、財政面への圧力は大きくないとの見方を示した。
記事は一方で、韓国統計局がこれまでに発表した出生率(女性が一生の間に産む子の数を示す指標)は、18年は0.98、19年には0.92、20年には0.84だったと紹介。韓国が現在の人口を維持するためには、同出生率は2.1である必要があるという。記事はさらに、「このまま出生率が低下すれば、韓国はしばらくすれば『民族消滅』してしまうことは、決して大げさではない」と論じた。
韓国政府はすでに、若い人に多くの子を産んでもらうために、家庭に対する現金支援などを行ってきた。また、1歳未満の子を持つ場合、男性も女性も3カ月の育児休暇を取れるようにするなどの制度も整えた。記事は、「韓国政府は出生を促進するために、考えられる政策はほとんどやり尽くしたと言ってよい」と評した。
ただし、スウェーデンなどの例を分析しても、政府の助成があっても出生率を引き上げる効果は、極めてわずかしかないと考えられるという。記事は、さらに多くの助成があっても、高額の家賃や高騰する養育費と比較すれば「九牛の一毛」にしかならず、社会や職場における女性の立場の弱さは、現在以上に環境を改善しても、根本的に変化させることは難しいとの見方を示した。
記事は、韓国の若者は結婚をしない傾向も顕著として、関連する数字として一人暮らしをする人の割合が2000年には15.5%だったが、10年には23.9%、20年には31.7%になったことを紹介した。
高麗大学のある社会大学の教授は「政府がせねばならないことは、助成すればよいとするのではなく、まして家庭の大切さを説くことではなく、若者が結婚も子作りもしない原因を分析し、その結果を政策に反映させることだ」と述べたという。
記事は、第二子以降の大学学費を減免しても、韓国人が多くの子を産む効果が発生することについて「不可能なことは明らか」と論じ、最後の部分ではさらに「だれもが、問題がどこにあることがはっきりと分かっているのに、解決策は依然として見いだせていない」と評した。(翻訳・編集/如月隼人)
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