ウルトラマングッズ、正規品の品質チェックの元責任者が偽造・販売―中国

Record China    2021年9月4日(土) 20時0分

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上海市警察がウルトラマン関連グッズを大量に偽造・販売していたグループを摘発した。グループのリーダーは、グッズを正規に製造販売する会社の品質チェックの元責任者だった。

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中国共産党中央政法委員会(法政委員会)は3日、SNSの情報発信プラットフォーム「中央政法政委長安剣」を通じて、ウルトラマン関連グッズを大量に偽造・販売していたグループを摘発したと紹介した。グループのリーダーは、グッズを正規に製造販売する会社の品質チェックの元責任者だった。

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同件は上海市公安局(上海市警)が2日に正式発表したという。売られていた商品が偽物と発覚した直接のきっかけは造詣が深いファンの「眼力」だったという。まず、偽物をつかまされたのは、市内に住むアニメなどのファンの王さん(男性)だった。王さんは3月、ネットショップでウルトラマンのフィギュアが売られているのを見つけた。王さんはショップ側に問い合わせて、正規品との説明を得た上でセット商品1点を210元(約3570円)で購入した。

王さんは届いた品物を確認して「よい品質だ」と納得した。王さんは6月にも同じショップで605元(約1万300円)の価格で別の商品を購入した。

その後、王さんはオフラインのファン交流会に出席した。すると、この種の商品に造詣が深いファンの一人が王さんが持ってきた品を見て「塗料の色が多少異なる。関節部分もやや粗雑だ。偽物に違いない」と断言した。王さんはそのため、関連グッズの正規ライセンスを持つ会社に、事態を通報した。会社側はネットショップで偽物を売りつけられた消費者がいるとして、7月16日に警察に届けた。

捜査は、同件で被害を受けた消費者である王さんが住む上海市奉賢区の警察が担当することになった。捜査チームは販売していた業者の所在地が広東省東莞市内であることを確認し、経営者の男を特定した。

捜査チームは、製造場所と思われる小さな工房を捜査した。しかし問題の商品の包装品と思われる物品と加工道具などは存在したものの、偽物のフィギュアそのものは見つからなかった。

捜査チームが調べたところ、最初に踏み込んだ工房にいた男が、夜間にしばしば、東莞市郊外の建物に行っていたことが分かった。その建物は普段は門を締め窓も閉じていたが、内部で生産活動をしている様子だったことと、夜になると宅配便の配達員がやってきて品物を運んでいったとの情報も得た。

捜査チームは建物内の構造や関係者、さらに活動の法則性などを調べ上げた上で、東莞市郊外の建物を偽造フィギュアの製造拠点と断定した。そして、現地警察の協力を得て7月22日に建物に踏み込み関係者3人の身柄を拘束した。

調べの結果、経営責任者はウルトラマン関連グッズを製造販売する正規のライセンスを持つ会社で製品の品質チェックの責任者を務めていた男と分かった。「製品について十分に理解している」と考え、退職して偽物の製造販売を始めたという。販売価格を正規品よりやや安価に設定していたので、多くのファンが購入したという。

犯行グループは、消費者からの問い合わせに対して、国外で売られているバージョンの商品と説明していたことが分かった。販売の際には、商品の包装をさらに外国語が書かれている箱の中に入れていたという。偽物商品は4タイプ9種類で、2万点以上が販売されていた。売上高は400万元(約6800万円)以上に達していたと見られている。(翻訳・編集/如月隼人

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