中国の自動運転投資がヒートアップ、百度、シャオミ、スタートアップそれぞれの現在位置は?

高野悠介    2021年9月7日(火) 22時20分

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中国自動運転の現在地とはどの辺りだろうか。最新ニュースから探ってみよう。

中国は、自動運転の話題が途切れることはない。百度シャオミ(小米)などの大企業が中心だが、スタートアップ関連ニュースも非常に多い。中国自動運転の現在地とはどの辺りだろうか。最新ニュースから探ってみよう。

■自動運転スタートアップ…活発な資金調達

2021年の夏、数多くの自動運転関連の投資案件が伝えられた。その中から主な企業を見ていこう。

飛歩科技…2017年、杭州で設立。スマート交通の実現、自動運転の車両と道路のクラウドを確立、具体的には、港湾トラックの“自動集荷車隊”を目指す。8月、シリーズBプラスで1億元を調達。

深セン佑駕創新科技(MINEEYE)…2013年、深センで設立。当初シンガポール政府の支援で、運転支援システム(ADAS)を研究していた。その後自動運転システムへ進み、車両、歩行者、車道、信号、標識など道路状況の視覚感知システムを独自開発した。7月、シリーズDプラスをまとめる、調達金額は不明。

軽舟智航…2019年、北京で設立。大規模な智能シミュレーションと自己学習システムにより、自動運転の実現を目指す。複雑な都市交通シーンに焦点を当てたL4自動運転ソリューション「Driven-by-QCraft」を発表した。自動ミニバス「龍舟ONE」がすでに蘇州、深センなどでコミュニティーバスとして稼働している。バイトダンス美団が出資。8月、シリーズAで1億ドルを調達。

嬴徹科技(Inceptio Technology)…2018年、上海で設立。自立走行トラックの操縦システム「軒轅」を自主開発。これはL3の自動運転技術に相当する。今後はトラックの電動化にも注力。多くの物流会社とサービス契約を締結している。8月、シリーズBで2億7000万ドルを調達。美団、京東が出資。

上海幾何夥伴智能駕駛…2018年、上海で設立。機器感知とディープラーニング技術を用いて、低コスト、量産容易なL2~L4までの自動運転技術を提供する。各種機器感知の融合とAIによる意思決定技術のリーダーを目指す。8月、シリーズAで4億元を調達。百度、シャオミが出資。

禾賽科技…2014年、上海で設立。ガス検知機やレーダーなどの生産と、サービスを提供。6月、シリーズDで3億ドルを調達。シャオミ、美団が出資。また百度傘下の集度汽車と戦略提携。

設立間もない企業がひしめき合い、システム開発を競っている。

■先行する百度…ロボタクシーの営業テスト本格化

百度は2017年、自動運転技術Apollo計画が、国家AIプロジェクトに採用された、この分野のリーディングカンパニーだ。

その百度は8月末、自動運転アプリ「蘿蔔快跑」をリリースした。直訳すれば“俊足の人参”となる。北京、広州長沙、河北省・滄州の先行4都市では、このアプリから自動運転ロボタクシーを呼び出すことができるようになった。

北京市のカバーエリアは東部の通州区だ。大規模な公園施設や、産業園が複数存在している。そこで1日当たり100人以上、26の公道で50キロメートルを超える走行試験を実施する。2023年には数百台を投入する。ただしまだ安全監視員が同乗している。

ラフなコスト計算によれば、従来型タクシー(内燃機関)の1台当たりコストは、燃料、保険、ドライバー人件費など113万元、EV車で92万元という。それが自動運転車の場合、安全監視員同乗では136.8万元だが、完全自動になれば49.2万元に下がる見込みだ。

課題は多いが、本格的な営業テストの段階へ到達したのは間違いない。

■新規参入のシャオミ…人材募集と企業買収

後発の代表はシャオミ(小米)である。シャオミは2021年3~4月、電気自動車産業への進出を表明、「小米汽車」の商標登録を申請した。今後10年で100億ドルを投資し、3年以内に新車をリリースする予定という。

4カ月後の7月末には、120の募集職位と採用条件、報酬を発表した。詳細を極めたリストだ。続いてL4級自動運転研究開発に関わるエリート人材の募集を開始した。総勢500人規模である。

投資も盛んに行った。縦目科技(自動運転支援システム)禾赛科技(レーザーレーダー)幾何夥伴(自動運転支援システム)などの資金調達に参加した。また、燃料電池企業、海之博電子、蜂巣能源などにも投資した。さらにQ2決算報告から、深動科技(DeepMotion)を7737万ドルで完全買収したことが明らかとなった。同社は高精度の地図を中心に、自動運転ソリューションを提供している。

そして9月1日、いよいよ「小米汽車有限公司」が動き出した。した。資本金100億元で正式に登記、従業員300人でスタートした。しかし、このスピード感で先行する百度に追い付けるのだろうか。

■ブレークスルーは可能か

9月1日施行のデータ安全法により、自動運転の試験データも、当局に提出する対象となる。とはいえ昨今の中国IT界では、自動運転は最も無難で前向きなテーマだ。百度やシャオミだけでなく、その他のIT巨頭もスタートアップの囲い込みを狙っている。さらに地方政府の支援もあり、すでにすそ野の広い産業構成ができている。自動車メーカー主体の日本とは対照的である。技術的ブレークスルーの起こる可能性は十分ありそうに見えるが、果たしてどうだろうか。

■筆者プロフィール:高野悠介

1956年生まれ、早稲田大学教育学部卒。ユニー株(現パンパシフィック)青島事務所長、上海事務所長を歴任、中国貿易の経験は四半世紀以上。現在は中国人妻と愛知県駐在。最先端のOMO、共同購入、ライブEコマースなど、中国最新のB2Cビジネスと中国人家族について、ディ-プな情報を提供。著書:2001年「繊維王国上海」東京図書出版会、2004年「新・繊維王国青島」東京図書出版会、2007年「中国の人々の中で」新風舎、2014年「中国の一族の中で」Amazon Kindle。

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