中国当局による芸能人のファンコミュニティーを規制する「清朗」行動に関連し、米国の中国語ニュースサイトの多維新聞は15日、数兆元（1兆元＝約17兆円）規模の「ファン経済」が解体の危機に直面しているとする記事を掲載した。

中国のインターネット規制当局は先月、芸能人を熱狂的に応援する「推し活」を規制する通知を出した。ファンがお気に入りの俳優や歌手の順位を引き上げようとお金をつぎ込む動きが過熱していることを受け、ネット上で芸能人やアイドルグループのランキングを禁止した。

記事によると、中国本土のファンコミュニティービジネスの規模は、2018年には3兆元（約51兆円）に満たなかったが、20年には4兆1000億元（約70兆円）にまで増え、22年には5兆元（約85兆円）を突破するとみられている。

中国本土で昨年、お金を払う応援活動に参加した人のうち、未成年（18歳未満）の割合は8％に上った。「00後（2000年代生まれ）」の約15％が「推し活」に毎月5000元（約8万5000円）以上を使っている。

中国共産党中央規律検査委員会のウェブサイトはこのほど、中国映画人協会理論評論委員会の会長を務める北京大学新聞・伝媒学院の陸紹陽（ルー・シャオヤン）院長の文章を掲載した。陸氏は、当局によるファンコミュニティー規制について、「ファンそのものではなく、その背後にある産業チェーンを正すことが目的だ」と指摘している。（翻訳・編集/柳川）