猛威を振るうデルタ株、グローバル経済が「向かい風」―中国メディア

人民網日本語版    2021年9月18日(土) 7時40分

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新型コロナウイルス変異株「デルタ株」が蔓延し続け、今やグローバル経済回復の途上に横たわる大きなリスクになっている。

新型コロナウイルス変異株「デルタ株」が蔓延し続け、今やグローバル経済回復の途上に横たわる大きなリスクになっている。世界保健機関(WHO)がまとめた統計では、8月30日から9月5日までで、世界の新型コロナウイルス感染症の確認された新たな感染者数は447万人を超え、死者は6万8千人に迫った。中でもアメリカ地域と欧州地域の死者が特に増加した。これまでに少なくとも174カ国・地域以上でデルタ株の感染者が確認されている。中国新聞社が伝えた。

デルタ株が世界規模で急速に広がり、感染症との新たな戦いを引き起こすとともに、まだ足下の危ういグローバル経済に圧力をもたらした。

世界の有名コンサルタント機関のIHSマークイットの研究によると、今年8月、グローバル経済の成長率が明らかに鈍化し、その原因としてデルタ株が蔓延して世界各地の経済活動が混乱するとともに、多くの国が再び引き締めの防疫政策を取り始めたことが挙げられる。

データによると、IHSマークイットが作成したJPモルガン・チェースグローバル調達担当者指数は、今年1月以来の過去最低の水準まで落ち込んだ。また、8月の製造業とサービス業の増加率はともに鈍化し、グローバルサービス業の輸出は3月以降で初めて低下したため、サービス業の増加率が1月以降で最低の水準になり、製造業の増加率も昨年7月にグローバル経済が回復し始めてからの最低を更新した。

最近、多くの国・地域の経済指標にも低下傾向が見られる。8月の米国の新規雇用者数の増加幅は7カ月ぶりの最低水準となり、空港での搭乗、ホテルの予約、レストランの予約が減少した。ドイツの重要なビジネス景況指数が悪化し、企業を対象に行った調査では、「今後の景気について悲観的」との見方を示した。

国際金融協会のチーフエコノミストのロビン・ブルックス氏は、「デルタ株の拡散がグローバル経済の回復の歩みを遅らせるとともに、グローバル経済の回復見通しへの期待に影響を与えている」と述べた。同協会は今年のグローバル経済成長率予測をこれまでの6.2%から5.7%に引き下げ調整した。

グローバル経済の回復がまたもや「向かい風」を受けて、ワクチン接種の緊急性をより一層際立たせている。欧州医薬品庁は、「デルタ株は伝播力がさらに強いが、今はワクチン接種が引き続き最良の予防法であり、より多くの人ができるだけ早く要請通りにワクチン接種を受けることを呼びかける」とした。

エコノミストの分析によると、ワクチンは引き続き新型コロナウイルスの罹患率、死亡率、重症化を抑える効果があり、各国政府にはより大きな回復の余地があり、感染症の経済への影響はかつてほど深刻にはならないと予想される。ただデルタ株の猛威により、ワクチン接種率の低い国・地域は一層大きなリスクに直面することになり、産業間と地域間の経済成長率の二極化がさらに進行する可能性があるという。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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