人民網日本語版 2021年9月18日(土) 20時30分
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デルタ変異株の平均潜伏期間わずか4.7日だという。資料写真。
広州医科大学附属広州市第8人民病院の唐小平(タン・シャオピン)教授、李鋒(リー・フォン)教授のチームは、広州医科大学附属第一病院広州呼吸健康研究院の鐘南山(ジョン・ナンシャン)中国工程院院士、陳如衝(チェン・ルーヘン)教授のチームと協力し、デルタ変異株による「5・21新型コロナウイルス感染拡大」を対象に、疫学とウイルスゲノムシーケンシング技術を結びつけ、世界で初めてデルタ変異株の完全な感染経路を正確に描き出すとともに、臨床資源と結びつけ、同感染拡大における感染者の臨床上の特徴及びウイルスの動力学的特徴を複数の面から描き出した。研究成果はこのほど、国際的に権威ある医学誌「ランセット」の姉妹誌「Eクリニカルメディシン」に掲載された。科技日報が伝えた。
これまで行われた疫学調査とウイルス核酸ゲノムシーケンシングによると、「5・21新型コロナウイルス感染拡大」はデルタ変異株によるもので、明確な感染経路がある。一方で、同研究は初めてその感染経路を追跡するとともに、そのはっきりした感染経路を明らかにした。当初、75歳の女性が想定外の曝露により感染したうえ、家庭内の濃厚接触または会食により3人に感染させた。研究チームは、そのウイルスの感染経路は主に直接・間接的な近距離接触であることを明らかにした。うち30.8%の感染者は会食による感染で、これに家庭内の接触(30.13%)、市中感染(18.59%)、勤務や社会的接触を含むその他の感染経路(19.87%)が続いた。
同時に研究チームは「5・21新型コロナウイルス感染拡大」による感染者を、2020年新型コロナウイルス感染症野生株の感染者の中に入れ研究を行った。複数の面から「5・21新型コロナウイルス感染拡大」による感染者の臨床上の特徴及びウイルスの動力学的な特徴を分析し、デルタ変異株の特徴をまとめるとともに、重症化する危険要素を探し求めた。
「デルタ変異株は潜伏期間が短く、急速に感染拡大する。平均的な潜伏期間はわずか4.7日で、野生株の6.3日より明らかに短い」。研究チームのサブグループ分析によると、非重症グループのうち、デルタ変異株感染者のウイルス潜伏期間(4.0日)は野生株(6.0日)より明らかに短い。デルタ変異株は10日内に4世代まで感染し、うち次の世代への感染に要する時間は最短24時間以内。野生株と比べると、デルタ変異株感染者のウイルス量は非常に多い(前者のCt値の平均は34.0、後者は20.6。Ct値が低いほどウイルス量が多いことになる)。デルタ変異株感染者の陰性化にかかる時間も野生株感染者より明らかに長い。
研究者チームはさらに、デルタ変異株感染が重篤化の危険要素であることを発見した。60歳とそれ以上の高齢者の新型コロナ感染者のうち、デルタ変異株の重篤化のリスクは野生株の1.45倍に上る。一方で、デルタ変異株に感染してから重篤化するペースは野生株の2.98倍に上る。
研究チームは、「今回の研究により、デルタ変異株の潜伏期間が短く、感染速度が速く、ウイルス量が多く、陰性化にかかる時間が長く、より重篤化しやすいといった特徴が明らかになった。そのため速やかな追跡、隔離、感染者特定、重点エリアに対する速やかな管理、特殊な状況における一部地域の全員PCR検査が非常に重要だ。速やかな感染源特定と感染経路遮断というやり方は、全国のデルタ変異株対策に『広州の経験』を提供した」と指摘した。(提供/人民網日本語版・編集/YF)
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