中国に依存する西太平洋の米自治領北マリアナ諸島―外交・安保専門メディア

Record China    2021年9月28日(火) 5時20分

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アジア太平洋の外交・安全保障問題を専門とするオンライン英字メディア、ザ・ディプロマットは25日、「北マリアナ諸島:米国領、中国依存」とする記事を掲載した。写真はサイパン。

アジア太平洋の外交・安全保障問題を専門とするオンライン英字メディア、ザ・ディプロマットは25日、「北マリアナ諸島:米国領、中国依存」とする記事を掲載した。中国メディアの環球時報が26日、その内容を要約して次のように伝えている。

中国は、世界第2の経済大国として、太平洋の島国の多くで影響力を拡大している。中国は、中国・オセアニア・南太平洋を結ぶ交易路「青い経済通路」を推進している。巨大経済圏構想「一帯一路」の一部であるこの道は、パプアニューギニアやフィジーなどの太平洋の島国に有利な援助とインフラ契約を提供する。

太平洋の島国にとって、観光業は中国からの最も重要な収入源の一つだ。フィジーは2018年に中国の観光市場から4660万ドルを獲得した。17年の世界銀行のリポートによると、中国の中間所得層の拡大により、中国からのアウトバウンド観光が継続的に成長する可能性がある。中国は引き続き観光分野で太平洋の島国と関わる。こうした傾向は、太平洋の島国の中国市場への依存をさらに加速させるだろう。

米国の領土もそうした中国の経済的影響を避けられない。グアムの北東約136マイル(約219キロ)にある米自治領北マリアナ諸島は、中国の海域における軍事的防衛ラインの一つである「第二列島線」に位置し、中国の「経済的破壊」の脅威にさらされている。

北マリアナ諸島は、アジア太平洋地域における米軍の戦力投射の交差点だが、中国人の観光のホットスポットでもある。観光産業は17年の連邦のGDPの72%を占めている。新型コロナの感染拡大により訪問者が減少したことで、経済がダウンし、政府資金の枯渇が悪化した。以前に比べて中国の投資取引の影響を受けやすくなっている。

サイパンは、手頃なツアーパッケージ、中国人へのビザ免除プログラム、中国との地理的近さ、そして相当数に上る中国系人口によって、他の米国の領土よりも多くの中国人観光客を魅了している。中国人の影響力は、家族経営の小さな店から豪華なリゾートまでの経済のあらゆる層に根を下ろしている。中国人観光客はすでに日本などの伝統的な市場からの訪問者に取って代わっている。太平洋の島国は経済を多様化し、中国市場への依存を断ち切るべきだ。

中国は第二列島線で米国を脅かす陸、海、空の能力を有しているため、ワシントンは、マリアナ諸島の重要性を強調している。20年9月、マーク・エスパー米国防長官(当時)は、パラオとグアムを訪れた際、中国の影響力が高まっていることへの懸念を表明した。マリアナ諸島は、西太平洋における米国の防衛態勢の不可欠な一部だ。

マリアナ諸島は、多くの太平洋の島国と同様に、経済上および安全保障上の課題に直面している。太平洋の島国には経済を多様化するためのより良い選択肢がないため、中国の影響力は持続する。島民と政府は、中国の活動を、多くの米国のオブザーバーが期待するよりも好意的に評価している可能性が高い。(翻訳・編集/柳川)

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