チベット高原で旧石器時代の遺跡、13万年前の人類による征服を証明―中国

人民網日本語版    2021年9月29日(水) 17時50分

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中国国家文物局は27日、「考古中国」重要プロジェクト進捗活動会を開き、稲城皮洛遺跡の重要な考古学的発見の成果を初公開した。

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標高3750メートルの高原で太古の昔に人類の活動があったのだろうか。考古調査隊がこのほどカンゼ・チベット族自治州稲城で発見した皮洛遺跡は、その答えを示した。

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中国国家文物局は27日、「考古中国」重要プロジェクト進捗活動会を開き、稲城皮洛遺跡の重要な考古学的発見の成果を初公開した。

標高3750メートルの青蔵高原(チベット高原)東部で、考古調査隊は時空的な位置が特殊で、規模が大きく、地質の保存状況が良好で、文化的序列がはっきりしており、遺物・遺跡が豊富な旧石器時代の大型広野遺跡・皮洛遺跡を新しく発見した。また、遺跡から東アジアで最も美しい手斧を発見したことで、「東洋の早期人類文化は西洋より遅れていた」という学説が完全に荒唐無稽であることを証明した。

■標高3750メートルの高原で、100万平方メートル近くの旧石器時代の遺跡を発見

四川省文物考古研究院旧石器研究室の鄭[吉吉]軒(ジョン・ジョーシュエン)室長によると、皮洛遺跡の面積は全体で約100万平方メートルで、年代は今から少なくとも13万年以上前。

鄭氏は、「高原で100万平方メートル近くの旧石器時代の遺跡が見つかるとは非常に不思議なことだ。遺跡の発掘後、考古学従事者は1万点近くの石製品を発見している。うち7つの文化層から6000点以上の石製品が出土しており、地表で3000点以上を収集した。これは太古の人類の現地における活動の頻度と強度が非常に高かったことを示しており、従来の認識を覆した」と述べた。

■東アジアで最も美しい手斧が出土

5カ月にわたる発掘及び地表遺物の体系的な採取により、考古学従事者は多くの人類の活動シーン、火の使用、石器製造の痕跡を発見し、6000点以上の石製品を取得した。

うちアシュール文化の代表的な石器である手斧は心を躍らせる発見となる。アシュール文化はアフリカ、西ヨーロッパ、西アジア、インドの旧石器時代早期文化だ。フランス・アミアンのサン・タシュール遺跡で最も早く見つかったことからその名がつけられた。

今回の皮洛遺跡の発掘調査では、現在までで世界で標高が最高の、数が豊富な、地層と時代がはっきりしているアシュール技術の遺物が出土した。手斧や薄刃斧などのアシュール文化の石製品は、現時点で東アジアで形態が最も典型的で、製造が最も精巧で、技術が最も成熟した、組み合わせが最も豊富なものとなっている。

中国旧石器考古専業委員会の高星(ガオ・シン)会長ら専門家によると、この発見は西洋の後期アシュール遺跡の出土品に匹敵でき、東アジアで初めて発見された確かなアシュール技術体系の出土品であることは間違いない。

■早期の人類によるチベット高原征服の歴史が明らかに

このチベット高原に位置する旧石器時代の遺跡は「砂礫石器―アシュール技術体系―剥片石器体系」という旧石器時代の文化発展のプロセスを完全に留めており、体系的に示しており、初めて中国西南地域の象徴的な旧石器時代文化序列を構築した。

鄭氏は、「同一エリアで人類の3つの文化的段階が見つかるのは世界的にも非常に稀だ。この3つの発展段階は文化の変化を示しており、人類の高原征服の歴史をはっきり反映できる」と説明した。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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