2021年9月29日、韓国メディア・チャンネルAは「中国が韓国の文化を奪おうとする『文化侵略』を着々と進めている」と報じた。

同メディアは、中国が北京冬季五輪の誘致を記念して制作した宣伝映像「氷と雪が舞う」を紹介。そこでは中国の人気歌手や歴代メダリストらが登場する背後で、韓服姿のダンサーが舞踊やサンモ回し（長い布のリボンがついた帽子をかぶり、リボンを回す芸）を披露している。また、習近平国家主席が出席した観兵式でも韓服やチャング（韓国の伝統的な打楽器）、サンモ回しが登場したといい、中国のテレビ番組では韓国の童謡も歌われているという。同メディアは「中国・延辺の朝鮮族を前面に押し出し、韓国の文化を中国文化に化けさせる意図がある」と分析している。

これを受け、又石大学歴史教育科のチョ・ポプチョン教授は、「（中国では）個々の機関が事を起こしていても、中央国家によって統制されているという点で注視すべき問題」と発言。最大野党「国民の力」のぺ・賢鎮（ぺ・ヒョンジン）議員も、「北京五輪を機に、これらを堂々と中国の文化にすり替え、国家的に宣伝する可能性が高い。国家レベルで対応すべき」と主張している。

しかし、韓国文化体育観光部は「中国政府が公式に発表したものではないので、政府レベルで直接的な対応を取るのは慎重になるべき」とし、微妙な姿勢を見せているという。同メディアは「韓流コンテンツを宣伝するのと同じくらい、韓国文化を守ることも重要だ」と報じている。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは、「反日を叫んでいた愛国者たちはどこへ行った？NO JAPANをしたのなら今こそNO CHINAもすべきでは？」「これが中国だ。『朝鮮族は中国人、だから韓国は中国の一部』という考え」「韓国文化がよほどうらやましいんだね。でもプライドはないの？」「むしろ中国が韓国の属国なのでは？」「韓国にいる中国人をすべて追放すべき」など、反発の声が相次いでいる。（翻訳・編集/丸山）