人民網日本語版 2021年10月19日(火) 21時50分
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以前は海外大手ブランドのスニーカーに夢中になっていた若者たちが、今では頭のてっぺんからつま先まで中国の国産品で固めている。写真は李寧のショー。
以前は海外大手ブランドのスニーカーに夢中になっていた若者たちが、今では頭のてっぺんからつま先まで中国の国産品で固めている。知らず知らずのうちにトレンドの風向きが変わり、消費者の選択も変化した。
東京五輪・パラリンピック、河南省の豪雨といった出来事の後、消費者の国産品に対する認知度が急速に上昇した。21年上半期には、安踏体育用品有限公司の売上高が228億元に達して、アディダス中国法人を超えた。国産品が海外製品を追い越すターニングポイントがすでに来ているのだろうか。
■国産品がますます人気なのはなぜ?
「90後(1990年代生まれ)」の男性の于さんは、「これまでいつもアディダスやナイキの限定スニーカーを購入しようと先を争っていたが、今はウィンドーショッピングでも国内スポーツブランドに真っ先に目が行くようになった。自分の印象では、国内ブランドのデザイン言語には生まれ変わったような感じがあり、モデルの更新ペースも速い。自分だけでなく、周りの同僚や友人もいつも『国潮(中国伝統の要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド)風』のものを着ていて、これが今最も流行りだ」と述べた。
生まれ変わった、発展した、流行。これが多くの消費者にとっての中国発スポーツブランドの新たな代名詞だ。業界での分析によると、一つ上の世代の消費者が育ってきた年代には、海外ブランドに対して仰ぎ見るような感覚があったが、現在の「90後」や「00後(2000年代生まれ)」が成長した年代には、中国ブランドが次々に立ち上がり、海外ブランドと肩を並べるものも出てきた。
国産品に対する消費者の認知度が急上昇し、以前のように国産品の良さを見て見ぬふりをしなくなったことが、国潮の盛り上がりの原因の1つで、業績も目に見えて増加した。多くの国産ブランドが国産品の人気急上昇のおかげで、業績をかなり伸ばしている。21年上半期には、安踏の売上高が228億1200万元、李寧は101億9700万元、特歩国際は41億3500万元に上り、中でも李寧の増加率が前年同期比65%と最も高かった。
メディアの報道によると、アディダスのカスパー・ローステッド最高経営責任者(CEO)は、「現在、中国市場のニーズはグローバルブランドではなく、中国現地ブランドに向かっている」と述べた。
■ターゲットはZ世代
浙商証券は以前に研究報告書の中で、「国産品の発展という大きな方向性は逆転できなくなった。いかなる突発的な出来事でもすべて国産ブランドのマーケティングの起爆剤になる可能性があり、中国ブランドの時代が到来したと言える」との見方を示した。市場がますます盛り上がり、国内スポーツブランドも「国産品を発展させたい」という意欲をどのようにしてビジネスに落とし込むかを考えなければならなくなったという。
特歩の林海雲(リン・ハイユン)副総裁は、「国潮ブームの中、当社のブランド認知度が目に見えて上昇したことは、中国の国力、消費者の認知、文化的な自信の高まりと深い関係がある。20年以降は、『新国風』に沿った一連の試みを行い、たとえば少林寺などとコラボして、新ブランドのXDNAを打ち出した」と述べた。
中国の有名キャラクターや中国の文化的特色を示すモチーフとのコラボや融合は、国産ブランドが現在の「国産品ブーム」の中で採用する主な戦略だ。鴻星爾克によると、同ブランドは今年、中国の漫画や河南博物館などとコラボし、青年共同創造プランを打ち出し、優れたデザイナーと契約し、清明上河園とコラボしたスケボー用スニーカーなどの製品を打ち出した。同社の関係責任者は、「コラボ製品について、来年はさらに多くの事業計画がある」と述べた。
製品の品質が安定して向上し、どの消費層に照準を合わせるかがより重要になった。林氏は、「『国潮ブーム』の中で、Z世代(1995年代後半から2009年生まれの世代)が最も重要な消費の中心になるとみている。Z世代層の消費の嗜好を見ると、もともと国産ブランド志向だ。バックグラウンドのデータ統計によると、特歩のXDNAが発表されたのと前後して、Z世代層の資産は105%増加した」と説明した。青山資本が発表した中間期消費報告によると、Z世代とは1998年から2014年までの間に生まれた人で、中国には約2億8000万人おり、全人口の約18.1%を占めるという。
「騰訊(テンセント)00後研究報告」は、「00後」を代表とする若い消費層は、国が強大になり隆盛に向かう時代に生まれ育ち、文化的な自信や民族的アイデンティティーという点で他の層を大きく上回る。ますます多くの若い消費者が国産品を買いたいと考えるようになったと指摘した。
■国産品はターニングポイントを迎えたか?
小売産業のベテラン専門家の李運楊(リー・ユンヤン)氏は、「消費者の情熱がブランドの人気を爆発させることはあるが、ブランド側は消費者の情熱がいつまでも売り上げを支えるなどと期待してはならない。ブームが落ち着けば、また製品やサービスといった中核問題に戻ることになる。ここ数年、国産品は大きな発展を遂げたが、『爆発的人気』から『長期的人気』に移行するには、長い道のりを歩まなければならず、品質やイノベーションの面で努力する必要がある」と述べた。
柒牌集団の洪炳文(ホン・ビンウェン)常務副総裁は、「企業は新陳代謝できる能力と発想を備えて国潮の発展に対処しなければならない。メイド・イン・チャイナからクリエイト・イン・チャイナへ移行し、国産ブランドをどうやって定着させるか、これは答えを出す必要のある問題だ。今後は、中国的な特色を持った要素とテーマを製品に反映させるにはどうしたらよいか、これが多くの国産ブランドが考察し、行動に移すべき問題になる。私たちにはまだまだたくさんの中国的モチーフや優れた文化があり、これを発掘し伝承していくことが可能だ」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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