人民網日本語版 2021年10月20日(水) 13時20分
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中国の個人所得の増加率が国内総生産の成長率を猛追し、両者の開きがさらに縮まっている。
中国の個人所得の増加率が国内総生産(GDP)の成長率を猛追し、両者の開きがさらに縮まっている。中国新聞社が伝えた。
中国国家統計局が18日に発表したデータによると、今年第1-3四半期(1-9月)の中国のGDPは比較可能な価格で計算すると前年同期比9.8%増の82兆3131億元に上った。同期の全国の個人の平均可処分所得は物価要因を考慮した実質増加率で同9.7%増、2年間(2019年と2020年)の平均増加率5.1%増の2万6265元となり、経済成長率とほぼ同じペースで増加した。
今年上半期の経済実績では個人所得とGDPの成長率の開きは0.7ポイントだったが、1-9月期は0.1%となり明らかに縮小した。
北京大学中国国民経済研究センターの蘇剣(スー・ジエン)センター長は、「個人所得とGDPとの増加率の開きが縮小した大きな原因は、政府による税金と減税・費用削減の措置が効果を上げたことだ」と指摘した。
中国工業・情報化部の肖亜慶(シャオ・ヤーチン)部長はこのほどメディアに対し、「今年は通年で新規の減税・費用削減額が7000億元以上増える見込みだ。金融包摂での方向を定めた預金準備率の引き下げ、再融資や手形再割引などによって流動性を提供し、小規模・零細企業への方向を定めた支援を強化したため、7月末現在、金融包摂による小規模・零細企業への貸出残高が前年同期比29.3%増加した」と述べた。
同日に発表されたデータによると、常住地別に見ると、都市部住民の平均可処分所得は名目で同9.5%増、実質で同8.7%増の3万5946元。農村部住民は名目で同11.6%増、実質で同11.2%増の1万3726元となった。都市部と農村部の所得格差は2.62倍で、前年同期に比べて格差は0.05ポイント縮小した。
蘇氏は、「貧困脱却の難関攻略が全面的勝利を収めた後、その成果を引き続き突き固めると同時に、共同富裕の目標を力強く推進する。これらはすべて、都市・農村間の所得が近づくよう促進する役割を果たす。特に今年は農村振興戦略の全面的な推進がスタートした年で、政府の農村・農業への重視が農村の人々の所得増加を後押しすることになる」との見方を示した。
これから個人の「サイフ」を膨らませるにはどうしたらよいだろうか。
中国人民政治協商会議全国委員会経済委員会の楊偉民(ヤン・ウェイミン)副主任は、「中国が目下打ち出している新発展構造の構築では、消費ニーズを増大させ、個人所得の増加ペースが経済成長のペースを上回るようにする必要がある。これはつまり、国民の所得分配構造の調整が必要で、政府の支出をより少なくし、企業の支出もより少なくしつつ、個人の所得がより多くする必要があることを意味する」と述べた。
蘇氏は「個人所得の引き上げでは主に次の2つの面を見る必要がある」としている。そして、「1つ目は経済の発展で、経済が安定的に発展すれば人々の収入もおのずと増加する。2つ目は分配の調整で、個人所得と政府の収入との分配比率ではもう少し個人に傾斜配分をするべきだ」と述べた。
蘇氏は、「人々の資産所得にも注目する必要があり、とりわけ農民層の資産所得に注目する必要がある。この面の所得が増えれば所得のバランスの促進にもプラスになる」との見方を示した。
中国マクロ経済学会の曹遠征(ツァオ・ユエンジョン)副会長は、「過去10年間の合計特殊出生率の変化を見ると、中国の労働力人口は減少を続けているが、賃金レベルはこれからも上昇し続けるとみられ、今後は一次分配の改善傾向がより顕著になり、共同富裕に向けたより大きな可能性が開けてくるだろう」と指摘した。
また曹氏は、「これは経済が成長を続け、雇用が拡大しさえすれば、より多くの低所得層が所得増加のよりよいチャンスを獲得できると同時に、一次分配における資本と労働との鋏状価格差の状態も改善されるということを意味する」と述べた。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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