相手国への国民感情さらに悪化=日本人の大半、米中「どちらにもつくべきでない」―日中世論調査

Record China    2021年10月20日(水) 16時10分

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言論NPOが日中共同世論調査結果を発表。中国国民の日本に対する印象がこの1年で急激に悪化したが、日中両国民とも日中協力への期待が大きいことが分かった。写真は「相手国に対する印象」年次別推移。

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2021年10月20日、非営利シンクタンク言論NPO(代表:工藤泰志)は、中国国際出版集団と共同で実施した「第17 回日中共同世論調査」結果を発表した。それによると、中国国民の日本に対する意識がこの1年で急激に悪化。「良くない印象を持っている」人の割合は7割近くに達した。一方、冷え込んでいた日本国民の対中意識に改善はなく、中国へのマイナス印象は9割を越えた。

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こうした中、米中対立の影響下でも日中両国民とも世界・アジアの平和維持や経済発展に向けた日中協力への期待が大きいことが明らかになった。また米中対立の中での日本の立ち位置について、日本国民の55%が米中の「どちらにもつかず世界の発展に努力すべき」と回答した。

中国国民で日本に対する「良くない印象(どちらかと言えばを含む)」を持っている人が昨年の52.9%から66.1%と13.2ポイントも増加した。中国国民の日本に対する「印象」が悪化に転じるのは、尖閣諸島での対立が表面化した2013年以来8年ぶり。また中国人で「現在の日中関係」を「悪い」と考える人は、2016年以降、改善傾向にあったが、5年ぶりに悪化に転じ、昨年の22.6%から42.6%と20 ポイントも増加した。「良い」と見る人は昨年の22.1%から半減し、10.6%に落ち込んだ。この悪化幅は、2013年の尖閣諸島ショック後の調査に次ぐものとなった。


一方、冷え込んでいた日本国民の対中意識に改善はなく、中国へのマイナスの印象は9割を越え、現状の日中関係を「良い」と思う人は2.6%に落ち込んだ。この結果、両国の国民意識は調査が始まった2005年ごろの厳しい水準に戻り始めている。日本国民では、中国に「良くない」という印象を持っている人は今年も改善傾向はなく、90.9%に達した。現在の日中関係を「悪い」と考える日本人は昨年の悪化以降、改善しておらず今年も54.6%と半数を超えた。

中国国民の回答で「日中関係の発展を妨げるもの」として最も増加したのは「中日両政府の間に政治的信頼関係がないこと」で、29.3%と昨年から10.4 ポイント拡大した。日本の印象を良くないとする理由では、「侵略した歴史をきちんと謝罪し反省していないから」を挙げる人が77.5%と突出している。加えて、「一部の政治家の言動が不適切だから」が21%と昨年の12.3%から8.7ポイントも増加した。

今回の世論調査では、お互いの軍事的な脅威だけが議論され、国民間に不安がある中で政府間の外交が機能せず、さらにコロナ過で国民間の直接交流がないこと、また歴史認識問題が再び中国で話題になっていることなどが明らかになった。

こうした中で、世界経済の安定した発展と東アジアの平和を実現するために、日中両国はより強い新たな協力関係を構築すべきだと考えている中国人は、70.6%と7割を超え、日本人でも42.8%と最も多い回答となった。さらに、日中両国やアジア地域に存在する課題の解決に向けて、日中両国が協力を進めることについて、日本人の56.5%、中国人の76.2%が「賛成」している。

さらに、米中対立の影響が日中関係にも及ぶ中での、日中協力のあり方について、日本人の33.7%、中国人の37.9%が「米中対立の影響を最小限に管理し、日中間の協力を促進する必要がある」と回答。これに、「米中対立と無関係に日中の協力関係を発展させる」(日本人11.1%、中国人10.5%)を選んだ人を加えると、日本人の4割、中国人の半数近くが米中対立下でも日中協力を促進すべきだと考えていることが明らかになった。

また、米中対立下の日本の立ち位置について、日本国民の55%が、日本は米中の「どちらにもつかず世界の協力発展に努力すべき」と考えている。

この調査は「第17回 東京-北京フォーラム」(10月25~26日)の開催に先立ち実施された。日本側の世論調査は、日本の18歳以上の男女を対象に2021年8月21日から9月12日まで訪問留置回収法により実施された。有効回収標本数は1000。中国側の世論調査は中国側の世論調査は北京・上海広州成都瀋陽武漢・南京・西安青島鄭州の10都市で18歳以上の男女を対象に同年8月25日から9月25日にかけて調査員による面接聴取法により実施された。有効回収標本は1547。


◆工藤泰志代表は20日の発表記者会見で日中世論調査結果について次のように述べた。

今回の世論調査で注目すべきは、中国人の対日印象や、現状の日中関係への意識がこの1年で急激に悪化したことである。2012年に尖閣諸島をめぐって対立した時ほどの決定的な悪化ではないが、変化幅はそれに次ぐ急激なものである。

中国側の意識の変化は、日中関係をめぐる多くの課題で中国側の認識を後退させている。これに対して日本人の意識は昨年の悪化から変わらず、強く冷え込んだままである。双方共に今後の日中関係に関しても悲観的な見方が強まっており、両国の国民感情は注意を要するゾーンに入ったと言える。

私たちが懸念しているのは、この「印象」と「日中関係」に対する今年の両国民の意識の水準は、日中関係が最も困難な時期とされ、多くの若者が中国で暴動を起こした2005年の水準にほぼ並んだということにある。この時に私たちの日中世論調査も始まったが、残念なことに状況は振り出しに戻りつつある。

これらの調査結果は、来年の日中国交正常化50周年に向けて、政府間の行動や民間の取り組みに新しい対応を突き付けているように思う。(八牧浩行

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