【CRI時評】ウォール街のシンボル「チャージング・ブル」傍らの1万本のバナナは何を訴えているのか

CRI online    2021年10月21日(木) 17時30分

拡大

米ニューヨーク市のウォール街のシンボルである牛の銅像「チャージング・ブル」の傍らにこのほど、1万本のバナナが置かれ、その向かい側に1体の新しいゴリラの像が出現した。

米ニューヨーク市のウォール街のシンボルである牛の銅像「チャージング・ブル」の傍らにこのほど、1万本のバナナが置かれ、その向かい側に1体の新しいゴリラの像が出現した。これを企画・実行した人によると、その目的は米国で広がり続ける貧富の格差と非情な資本主義に抗議することだという。ゴリラは米国のもがき苦しむ底辺層を表し、1万本のバナナはウォール街が「クレージー」に変わったことを示唆している。英語のbananaにはクレージーという意味もある。

米国の現在の貧富の格差はどれほどクレージーなのか。米連邦準備制度理事会(FRB)が新たに公表した二つのデータを見てみよう。一つは、米国では上位10%の富裕層が米国の株式とファンド所有権の89%を持ち、この割合は過去最高を記録した。もう一つは、所得上位1%の「超富裕層」の資産が、統計を取り初めて以来初めて、中間層の資産総額を上回った。ハーバード大学などが先頃発表した世論調査も米国の底辺層の生活状況を示している。それによると、米世帯の40%が深刻な経済的困難に直面し、約2割の世帯が貯蓄をすべて失った。新型コロナウイルスの感染拡大は、米国の「マタイ効果(持っている人はさらに与えられる)」の拡大鏡となりつつあり、富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなっている。

こうした状況は、表面的には、量的金融緩和政策の下で、富裕層の株式などの資産が大幅に上昇したことによって引き起こされたものだが、実際は、貧富の格差は早くから米国社会の「痼疾(こしつ)」の一つとなっていた。

世界唯一の超大国はなぜ底辺層の声を顧みず、貧富の格差が日に日に拡大するのを放置しているのか。これは資本主義の根深い矛盾によるものだ。国連人権理事会の報告書で述べられているように、米国のような裕福な社会で極度の貧困が持続するのは、政権の座にある者の政治的な選択による結果だ。米国に政治的意志があれば極度の貧困をなくすことができるが、米国には明らかにそうした意志が欠けている。なぜなら、米国の政治は本質的に金権政治であり、経済と政治の権力を握るごく少数のエリートはずっと前から資本の奴隷に成り下がり、貧富の格差の問題に直面して真っ先に考えるのは自らのチーズ(お金)をどうやって守るかということだ。

10年前、「ウォール街占拠」の抗議者は「99%と1%」のスローガンを叫んで米国社会の不公平を糾弾した。10年後、ウォール街には1万本のバナナによる無言の訴えがある。米国の政治家がこれまでと同じように軽視を続けるなら、米国を待っているのは真の危機だ。(提供/CRI

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携