2021年11月2日、中国版ツイッターの微博（ウェイボー）で、中国国家市場監督管理総局が公布した「医療美容広告執法指南」に関する投稿が注目を集めている。

中国メディアの21世紀経済報道は、微博の公式アカウントを通じて、国家市場監督管理総局による「医療美容広告執法指南」の文書の画像3枚と動画をアップし、ハッシュタグ「法による各種美容医療広告の乱れを取り締まる」付きで、「国家市場監督管理総局が2日に公布した『医療美容広告執法指南』は、法により各種美容医療広告の乱れを取り締まることを目的とし、公序良俗に反した『外見や容姿への不安』をあおり、容貌が良くないことを怠惰、貧困などのネガティブな評価の要因と関連づけたり、魅力的な容貌を持つことを勤勉や成功などのポジティブな評価の要因と関連付ける不当な事態に打撃を与えるものだ」「広告主は規定により、医療機構執業許可証を取得しなければ、美容医療広告の配布および配布の委託はできない」と報じた。

中国ではここ数年、より良い見た目の追求やアンチエイジングを目的とした整形手術や美容医療の需要が高まっている。コンサルタント会社のデロイトによると、2019年の中国の医療美容業界の収益は270億ドル（約2兆9300億円）で、世界全体の約5分の1を占めたという。また、新華社通信が8月に報じた業界団体の推計によると、中国の美容整形市場は2022年までに3000億元（約5兆3300億円）規模に成長するとみられている。

一方、中国共産党の機関紙「人民日報」は9月14日の論説記事で、美容整形や手術の広告について、過剰で誤った内容を伝えているものがあるとし、規制が「必須かつ緊急」だと指摘している。今年2月に中国青年報傘下の校媒網が全国の2063人の大学生に対して実施した外見に関する不安についてのアンケート結果によると、59．03％が自身の容姿に関してある程度の不安を感じており、男子学生では重度に不安を感じる人が9．09％を占め、女子学生の3．94％よりも多かったという。女子学生は中度に不安を感じる人が59．67％を占め、男子学生の37．14％を上回っているという。

この投稿に対し、他のネットユーザーからは「当然だ」「きれいなやり方だ」「取り締まりを支持する」「口先だけでない所を見せてほしい」「若者向けに『お金は貯めるより美容医療に使え』という風な医療美容の広告を見た」「どうりで美容医療関連の株価が昨日下落したわけだ」「『職場PUA（パワハラやモラハラのこと）』も取り締まってくれ」などのコメントが寄せられている。（翻訳・編集/原邦之）