米国の中国語ニュースサイトの多維新聞によると、米外交専門誌ナショナル・インタレスト（電子版）は4日、「米国はすでに中国との戦略的競争に負けている」とする記事を掲載し、次のように伝えている。

米国ではある時期以来、信号伝達と抑止が外交政策の要となっている。インド太平洋諸国による防衛能力への投資も、米国の負担軽減につながる可能性があるため、歓迎すべき進展だ。しかし、オーストラリアへの原子力潜水艦の売却にしろ、台湾を守るための確固たる合意にしろ、中国がソフトパワーで巨大な影響力を獲得したという事実を変えることはできない。

中国との競争が、大国間競争、戦略的競争、あるいは新冷戦と呼ばれようと、その呼び方は大した問題ではない。大切なのは、米国が過去20年間に対テロ作戦を実施している間に、中国はそのソフトパワーを成長させ、経済分野で米国に取って代わるために忙しく働いていたということだ。

米国は過去20年間、軍事優先のアプローチに依存してきた。そうした外交政策のレンズが中国に成長の機会を与えた。現在、戦略的競争は中国と米国を敵対者として分類しているが、これは米国の利益にはならない。米国は依然として軍事力で優位に立っており、軍事的封じ込めを魅力的なアプローチにしている。しかし、明白な競争は世界を野営地に追いやるだけであり、中国はすでに経済面で米国と対等の資格を得ている。

二極化ではなく多極化を認めることこそが、米国の現在および将来の現実であり、米国の利益になる。それを認識することは、戦略的競争を放棄する必要性を示唆している。（翻訳・編集/柳川）