独身男性の増加が「マノミクス」に拍車、中国で男性が消費の中堅に―中国メディア

人民網日本語版    2021年11月14日(日) 20時30分

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中国では現在、ウーマノミクスならぬ「マノミクス」が台頭している。

中国では現在、ウーマノミクスならぬ「マノミクス」が台頭している。長年、ターミナル消費市場において、男性は最下層だった。注目を集めているある消費市場における価値の序列を表す図を見ると、上から順に女性、子供、高齢者、ペットと続き、ワーストが男性となっている。しかし、「ウーマノミクス」が長年主導してきた消費において、男性がついに台頭し始め、「爆買い」は、女性の「専売特許」ではなくなっている。そして、男性は「消費力が弱い」という、これまでのイメージは覆り、「財布のひもの緩い男性」が消費市場において中堅となり、その消費の領域は各種生活、娯楽、仕事のシーンにまでどんどん広がっている。

各種統計、分析データを見ると、男性消費者が普段最もお金を使うカテゴリーは、飲食、理容、3C(コンピューター、通信、電子)、服・靴だ。伝統的な意義におけるこれら「男性向け」カテゴリーのほか、美容、娯楽、コスメなどの分野の男性消費市場の人気にも火がつきつつある。「顔面偏差値ブーム」が巻き起こっていることで、多くの男性も自分の容姿に注意を向けるようになっているようだ。

統計によると、2020年メディカル美容の消費グループのうち、約10%が男性だった。メディカル美容は、新型コロナウイルス感染症拡大発生後も、消費が後退するどころか、逆に成長している分野で、それを利用する男性が目に見えて増加している。日用品やメディカル美容などの業界も、男性消費者の開拓を一層重視するようになっており、男性「顔面偏差値」市場の盛り上げに拍車をかけている。

その他、男性消費者の客単価や消費頻度は、フィギュアや鞋、アニメ、エレクトロニック・スポーツ(eスポーツ)関連商品といったお金のかかる趣味のカテゴリーにおいて上位を占めている。

業界の調査によると、男性消費者は継続的に高度化し、オンラインショッピングを楽しみ、過剰消費にさえなっている。男性消費者は消費頻度こそ高くないものの、客単価は決して低くなく、あるブランドに一旦注目し、好きになると、「常連客」となり、その「忠誠度」は女性を遥かに上回っており、消費能量やポテンシャルを過小評価することはできない。

■独身男性の増加が「マノミクス」に拍車

独身人口、特に独身の男性の割合は年々高まっており、「マノミクス」時代の幕開けに拍車をかけている。中国国家統計局の統計によると、中国の独身人口は現在、2億4000万人に達している。第7回国勢調査の20‐49歳の統計によると、中国の独身男性の数は女性を上回っている。独身の道を選ぶ男性は、家庭において背負う負担も軽く、個人消費能力を発揮し、比較的多い時間と金銭を使い、自分を満足させるようになっている。

蘇寧金融研究院のシニア研究員の付一夫(フー・イーフー)氏によると、独身のグループの貯蓄性向は、既婚者のグループよりも弱いのに対して、限界消費性向は既婚者グループより強い。また、男性消費者のオンライン消費力も女性より高く、過剰消費の傾向にさえある。

実際には、2017年から、男性のオンライン消費支出は女性を超えており、コスメや服といった分野でも一定の地位を占めるようになってきている。

市場の動向を見ると、男性は、ブランドのコンセプトやブランドがもたらす価値感、ブランドブレミアムに注目している。有名ブラントとのコラボ商品や中国の伝統的要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド「国潮」関連の商品、「手作り」、「巨匠」、「国際大賞」などの謳い文句で価値や質を向上させている商品などが、男性消費者に非常に人気となりやすい。

消費が高度化する中国の言語環境を見ると、「ノンバイナリー消費」というのが大きな流れとなっている。男性の自分のイメージ管理意識が高まり、性別二元制も変わる中、男女に分けた消費のニーズに変化が起きており、その境界がますます曖昧になっている。そのため、趣味などに基づいて、消費グループを分類するほうがより科学的にさえなっている。

これまでは「大衆」と「マニア」という大きなくくりで分けられていた消費市場は今、若者、家庭、スポーツ愛好者、健康マニアなど、趣味などに基づいて細分化して分類されるようになっている。そして、消費者に対してより精度を上げてピックアップしなければならないようになっており、ブランドの発展にとっては新たな課題となっている。もちろん、「形式は変わっても本質は変わらない」という言葉があるように、ブランドが生き残るカギは、商品そのものの良し悪しであることに変わりはないだろう。「ウーマノミクス」であっても、「マノミクス」であっても、消費者にとっては「良い商品」というのがいつでも最も重要な要素だからだ。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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