<米中首脳会談>融和に向けた協力を期待=両国には一致できる分野多い―立石信雄オムロン元会長

立石信雄    2021年11月14日(日) 6時30分

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米中2大国には気候変動問題の他に貿易・金融や北朝鮮めぐる問題など利害が一致する分野も多い。トップ同士の対話の積み重ねは、世界の平和友好と経済発展へ歓迎すべき出来事である。

米国バイデン大統領と中国の習近平国家主席がオンライン形式で15日に会談すると発表された。両首脳が直接対話するのは9月に電話協議して以来。両首脳は、米中両国間の課題を管理する方法について協議するほか、両国の国益が一致する分野で協力する方法について議論するという。緊張緩和に向けた協力を探るとみられ、融和機運の醸成を期待したい。

最近になって、首脳協議に向けて米中が歩み寄る動きも出ていたようだ。民間団体「米中関係全国委員会」が11月初旬に開いた会合に、両首脳がそろってコメントを寄せたのに続いて、英グラスゴーで開催中の第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)で2020年代に気候変動対策で協力関係を強化することを盛り込んだ共同宣言を発表した。対立してきた米中の共同宣言は異例で、米中が融和に向かうきっかけになることを願う。

共同宣言の記者会見でケリー米大統領特使(気候変動問題担当)は「協力こそが仕事を成し遂げる唯一の方法だ」と強調。中国の解振華担当特使も「私たちは責任を持たなければならない」と同調したという。

共同宣言はこの1年間で開いた約30回の米中交渉の成果だという。温暖化ガス排出量はトップの中国と第2位の米国の合計で世界の4割超を占める。実効性のある対策を講じるには両国の協力が不可欠である。今回の合意は米中の首脳協議を前に機運の醸成を狙ったものだろうが、具体的な数値目標の歩み寄りにも期待したい。

米中首脳は11月9日に米中関係全国委員会がニューヨークで開いた会合に共にコメントを寄せた。バイデン氏は「パンデミックへの取り組みから気候危機への対処まで米国と中国の関係は世界的に重要な意味を持っている」と指摘。習氏は「相互尊重、平和共存、ウィンウィンの協力の原則に従い、交流と協力を強化して地球規模の課題に共同で取り組み、相違点を適切に管理して中米関係を正常軌道に戻す用意がある」と訴えた。

1970年代の米中国交正常化に際して露払い役を演じたキッシンジャー元国務長官は「中国と米国が困難を克服することは不可欠で、協力できる共通のプロジェクトを見つけるのはさらに重要だ」とのメッセージを発している。

国内で支持率が低迷するバイデン氏が看板政策である気候変動対策で成果を出すには中国の協力が不可欠である。中国側では共産党の重要会議、第19期中央委員会第6回全体会議(6中全会)が11日に閉幕。この重要会議を終えた後にバイデン氏との首脳協議に臨む意向が働いた可能性があるとされる。

表向きの激しい対立姿勢とは裏腹に、米メディアでは「米中の各レベルの対話が増加傾向にあり米中関係が改善に向かう兆しが顕著」と報じられている。2大国には気候変動問題の他に貿易・金融や北朝鮮めぐる問題など利害が一致する分野も多い。トップ同士の対話の積み重ねは、世界の平和友好と経済発展へ歓迎すべき出来事である。

<直言篇181>

■筆者プロフィール:立石信雄

1959年立石電機販売に入社。1965年立石電機(現オムロン株式会社)取締役。1995年代表取締役会長。2003年相談役。 日本経団連・国際労働委員長、海外事業活動関連協議会(CBCC)会長など歴任。「マネジメントのノーベル賞」といわれるSAM(Society for Advancement of Management)『The Taylor Key Award』受賞。同志社大名誉文化博士。中国・北京大、南開大、上海交通大、復旦大などの顧問教授や顧問を務めている。SAM(日本経営近代化協会)名誉会長。エッセイスト。

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