中国でアイドルオーディション時代が終焉、「練習生」たちはどこへ?―中国メディア

Record China    2021年11月21日(日) 23時20分

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19日、澎湃新聞は、中国国内でアイドルオーディション番組が相次いで打ち切られる中で「練習生たちは今後どこへ行くのか」とする記事を掲載した。写真は中国のオーディション番組「創造営」。

2021年11月19日、中国メディア・澎湃新聞は、中国国内でアイドルオーディション番組が相次いで打ち切られる中で「練習生たちは今後どこへ行くのか」とする記事を掲載した。

記事は、中国の放送当局が9月にアイドル育成系番組の放送禁止を通達したことにより、テレビ局や動画配信サイトが続々と関連番組の放送を打ち切ったと紹介。愛奇芸が今後数年間アイドルオーディション番組を実施しないと発表すれば、騰訊も人気オーディション番組「創造営」の全国予選を中止したと伝えた。

そして、オーディション番組の打ち切りにより、アイドルを目指していた練習生たちは身の振り方を考え直す必要に迫られているとし、大学卒業後にアイドルとなる夢を捨てきれず練習生として研さんを積んでいた22歳の女性が「舞台が大好き。歌や踊りの道は閉ざされたが、映画学院に入って努力し、優れた役者になりたい」と引き続き芸能界を目指す姿勢を示したことを紹介する一方で、「大多数の練習生は、これからどうしたらよいかわからないと考えているようだ」としている。

その上で、中国の芸能界の現状について、近年のオーディション番組ブームにより、大手芸能事務所がこれまで育ててきたアイドルの卵が枯渇し、アイドルを「養成」ではなく「速成」する状況に陥ったと指摘。これにより練習生のレベルは下がり続け、訓練を積ませてデビューさせるという計画や方針が崩れていったと指摘。この状況には練習生からも「本来はもっとハードルが高くて、高い能力がないとデビューできないと思っていた。でも今は歌やダンスが下手でも見た目さえ良ければ、ちょっと面白ければデビューできてしまう」という不満の声が出ており、芸能事務所の関係者、アイドル養成所のスタッフ、そして練習生たち自身と業界関係者の多くが「ちょっと歩みを緩めて、体制を変えるべき時が来た」と感じているようだと伝えた。

当局主導による芸能界の綱紀粛正が進む中、中国映画会社大手の歓瑞世紀は先日あらたな俳優募集計画を打ち出した。記事はその計画について「芸人である前に人であれ、まず人間としての徳を持て」をモットーとし、技量と道徳心の両方を備えた俳優の選抜、育成を強調しており、業界の風向きを変えようという試みであると評価している。

そして最後に「オーディション番組の打ち切りは、練習生の運命を変えるだけでなく、芸能業界の進む道にも静かに影響を与えている。とはいえ、現在の状況は練習生をすべて芸能界から締め出すものではない。利益ばかり求める投機的な人間を駆逐し、この業界を『舞台パフォーマンスを本当に愛する人こそ入れる』という従来の状態に戻すだけのことなのだ」と結んだ。(翻訳・編集/川尻

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