〈私が見た新疆ウイグル自治区3〉新疆の地形は?

小島康誉    2021年11月20日(土) 16時20分

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アルタイ山脈・ジュンガル盆地・天山山脈・タリム盆地・クンルン山脈を大まかに記した新疆ウイグル自治区の地形図(作図:筆者)

新疆の地形は『新疆概覧』(新疆ウイグル自治区人民政府外事弁公室編・新疆人民出版社1995)によると「古生代以降5億年の間は海に囲まれたジュンガルとタリムの2つの陸地が存在するのみだったが、古生代の地殻変動により、海面は次第に後退し、新生代第三期末(約100万年前)には周囲の海底が隆起して、アルタイ・天山・クンルン山脈となり、ジュンガルとタリムは安定し山々に囲まれる2つの盆地が成立した」(拙訳)とされている。

「新疆」の「疆」は「畺」と略されることもあると第1回に書いた。「畺」の三本の横一と二つの田は、新疆ウイグル自治区の地形を象徴しているとも言われている。三本の横一はアルタイ(阿尓泰)山脈・天山山脈・クンルン(崑崙)山脈。アルタイ山脈は新疆北端で隣国カザフスタン・ロシア・モンゴルとの国境一帯に位置している。天山山脈は新疆の中央部に位置する巨大山脈で一部はキルギス・カザフスタンに及んでいる。クンルン山脈は新疆南端に位置しアルチン山脈やカラコルム山脈と連なり、クンルン山系と総称され、パキスタン・インドなどに及んでいる。二つの田はジュンガル盆地とタリム盆地。アルタイ山脈と天山山脈の間にジュンガル盆地があり、天山山脈とクンルン山脈の間にタリム盆地がある。天山山脈より北を「北疆」、南を「南疆」と呼んでいる。

アルタイ山脈の最高峰は友誼峰4374m、天山山脈の最高峰は托木尓峰7435m(異説有・別名勝利峰)、クンルン山脈の最高峰は公格尓峰7719m、クンルン山系の最高峰は喬戈里峰(K2)8611mで世界第2の高峰。一番低い所はトルファンの艾丁湖で海抜マイナス154m、現在は干上がっている。タリム盆地は東西約1500km・南北約600km、その大半がタクラマカン沙漠であり、サハラ沙漠に次ぐ世界第二の広さ、中国最大の沙漠であり、日本とほぼ同じ面積。ジュンガル盆地のグルバンテュンギュト沙漠が中国で2番目の広さ。天山山脈の一部は2013年「世界自然遺産」となった。この年、富士山は「世界文化遺産」となった。

タリム盆地の北縁を流れる大河がタリム(塔里木)河、長さ約2200kmで中国最長の内陸河川。上流はカラコルム山脈に発するヤールカンド河、美しい名で知られる孔雀河はタリム河の支流である。ちなみにスウェーデンの地理学者ヘディンが「さまよえる湖」としたロプノール(羅布泊)はタリム河の流量減少により完全に干上がっている。筆者が楼蘭仏塔を訪れた際、その湖底を通ったが貝殻が大量に散乱していた。コルラ近くのボステン(博斯騰)湖は1640平方km、中国で最も広い淡水湖である。アルタイ地区のカナス(喀納斯)湖やウルムチ郊外の南山牧場は人気観光地。天山山脈のナラティ(那拉提)草原やバインブルグ(巴音布魯克)草原には高山植物が咲き乱れている。

■筆者プロフィール:小島康誉 1942年名古屋市生まれ。佛教大学卒。浄土宗僧侶、日中理解実践家。66年宝石専門店を起業し上場企業に育て上げ、96年創業30周年を機に退任。1982年より中国新疆を150回以上訪問し、世界的文化遺産保護研究・人材育成など国際協力を多数実践。佛教大学客員教授を歴任し現在、佛教大学内ニヤ遺跡学術研究機構代表、新疆ウイグル自治区政府文化顧問。編著『新疆世界文化遺産図鑑』『中国新疆36年国際協力実録』など。日本「外務大臣表彰」・中国文化部「文化交流貢献賞」・中国人民対外友好協会「人民友好使者」ほか受賞多数。 ブログ「国献男子ほんわか日記」 書籍はこちら(amazon)

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