中国から100数カ国へ拡大、菌草技術はいかに世界に進出したか―中国メディア

人民網日本語版    2021年11月24日(水) 21時10分

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中国の習近平主席は19日、北京市で第3回「一帯一路」建設座談会に出席し、重要談話を発表した。

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習近平中共中央総書記(国家主席、中央軍事委員会主席)は19日、北京市で第3回「一帯一路」(the Belt and Road)建設座談会に出席し、重要談話を発表した。習総書記は座談会において、20年以上前の出来事を振り返った。人民網が伝えた。

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習近平総書記は福建省で勤務している期間中に、パプアニューギニアのイースタンハイランド州のラファナマ知事と会談した。

「知事に菌草のことを紹介すると、非常に興味津々だった。そこで私は林占熺氏を派遣した」

林氏はその会談後、すぐに遠く南太平洋を訪れた。

■菌草技術で千万単位の農家が貧困脱却

林氏は福建農林大学教授、国家菌草プロジェクト技術研究センター首席科学者、そして菌草技術の開発者で、「世界菌草技術の父」と呼ばれる。

林氏は1983年に福建省長汀県を調査した。現地の人々はシイタケ栽培によって貧困から脱却し豊かになるのを目指していたが、木を切りシイタケを栽培しても現地人は豊かにならなかったどころか、現地の生態系の悪化で、土地が砂漠化し、貧困がさらに激化した。林氏は大学に戻ると林業栽培の代替案を模索した。これはつまり、木の代わりに草を使う菌草の研究だ。1000日以上に及ぶ日夜の奮闘により、林氏は1986年に菌草技術の発明に成功した。

福建省と寧夏回族自治区は1996年にペアリング貧困者支援協力を開始した。林氏とチームは菌草の種を6ケース持ち、固原市彭陽県に向かった。林氏は古城鎮小岔溝村で27世帯の農家を選び、トウモロコシの茎と小麦の茎でキノコを栽培した。半年内に試験に参加した農家の収入が1世帯あたり2000元にのぼった。収入が最高の農家は面積が50平方メートルにも満たないハウスの中でヒラタケを栽培し、純収入が1万元にのぼり、面積1.8ヘクタールの小麦栽培の収入を上回っていた。

寧夏回族自治区では2007年時点ですでに1万7500世帯が菌草生産に参加し、1万7500軒のハウスを作り、生産高が1億元近くに上った。キノコ栽培農家の年収は平均で5000元以上増えた。菌草業は福建・寧夏ペアリング貧困者支援協力の重要産業になった。数多くの農家が菌草生産の発展により貧困に別れを告げた。

菌草技術は1986年から現在まで、全国31省(自治区・直轄市)の506県に推進・拡大しており、千万単位の農家が貧困から脱却し豊かになるのを支援している。そして木の代わりに草を使いシイタケを栽培するだけでも、全国で2000万立方メートルの森林伐採を回避できる。

■菌草技術の国際協力

南太平洋の島国パプアニューギニアで、菌草は現地人から「林」草と呼ばれている。林氏の苗字を取り、中国の専門家への謝意を表している。

菌草技術援助プロジェクトが2001年にパプアニューギニアでスタートし、菌草技術国際協力の幕開けとなった。林氏は20年にわたり何度も海外を訪れ、菌草技術を伝授しそれを推進・拡大している。

林氏は、中国菌草推進・拡大チームがパプアニューギニアのイースタンハイランド州に到着したばかりの頃を振り返り、「幾多の困難が立ちはだかり命の危険さえあった」と感慨深く語った。しかし彼らは尻込みせず、有り合わせの条件で、現地に適した形で菌草を栽培した。まもなく現地の野生の菌草を利用し各種食用キノコを栽培できた。

林氏は2001-19年にかけて、パプアニューギニアを22回訪問し菌草技術プロジェクトを実施した。今や菌草・陸稲技術はパプアニューギニアの8州・16地区の累計8600世帯以上の農家に推進・拡大し、3万人以上に利益をもたらしている。さらに1ヘクタール当たり853トンという巨菌草生産量の世界記録を更新した。

菌草技術は今や世界106カ国に伝わっており、さらには「中国・国連平和発展基金」の重要プロジェクトになっている。中国は菌草技術国際研修を270回実施し、中国内外の1万人以上の研修生を受け入れてきた。菌草技術の専門人材を育成するため、中国政府はさらに福建農林大学で菌草技術を専攻する11カ国の留学生に資金援助を行っている。

菌草対外支援20周年並びに持続可能な開発支援国際協力フォーラムが今年9月2日、北京で開かれた。すでに78歳と高齢の林氏は同日のフォーラムで、菌草技術の未来について、「菌草事業のため奮闘を続け、農村振興のペースアップと世界の持続可能な開発のため力を貢献する」と自信に満ちた表情で語った。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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