日本が北京冬季五輪を「外交的ボイコット」するのが難しい理由―仏メディア

Record China    2021年11月26日(金) 6時40分

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RFIは24日、「日本は欧米と共に外交的ボイコットを行うのか」と題する記事を掲載した。写真は北京五輪のメイン会場「鳥の巣」。

来年2月に中国で開催される北京冬季五輪をめぐり、米国に続いて英国も「外交的ボイコット」を検討する中、仏国際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)中国語版は24日、「日本は欧米と共に外交的ボイコットを行うのか」と題する記事を掲載した。

記事はまず、バイデン米大統領が18日に北京冬季五輪について米政府が政府高官の出席を見合わせる「外交的ボイコット」を検討していることを明らかにしたことに言及。「これにより、米政府関係者の同大会への出席が禁止される可能性がある」と報じた。バイデン大統領はメキシコのオブラドール大統領やカナダのトルドー首相と会談した際にもこうした考えを伝えたほか、英国政府も外交的ボイコットを検討していると報じられている。

記事は、米国はウイグル族への人権侵害や香港の政治的自由の抑圧などを理由に中国を非難しているが、日本は米国のこうした動きに加わるのだろうかと疑問を提起。その上で、林芳正外相が21日に出演したテレビ番組でこの件について聞かれ、「現時点では決まっておらず、検討する」と述べるにとどめたことを紹介した。

また、岸田文雄首相が先日「日本は日本の立場で考える」と述べ米国への追随を明言しなかったこと、9月の自民党総裁選候補者の討論会でも「日本は欧米諸国と地政学的にも違う立場にあるため、日本独自の判断をしなければならない」と述べていたこと、松野博一官房長官も11月22日の会見で日本の対応について「何も決まっていない」と述べたほか、各国の動きについての評価を避けたことなども説明した。

一方、中国の王毅(ワン・イー)外相が林外相と電話会談を行った際に、「北京冬季五輪と中日文化スポーツ交流促進年を機に、積極的な民意と社会の雰囲気を醸成すべき」と述べたことから、中国は米国主導の外交的ボイコットへの日本の参加を極力控えさせたい考えだとした。

記事は、「日本が新型コロナウイルスの感染状況が深刻な中で東京五輪を開催することを、中国側は積極的に支援した」と指摘。また、王毅外相と前任の茂木敏充外相の間で日中国交正常化50周年(2022年)を機に両国の関係改善を図ることを確認したことや、茂木氏も北京五輪開催への支持を表明していたことなどを挙げた上で、「こうしたさまざまな兆候から、日本が北京冬季五輪で外交的ボイコットを行うことは難しいだろう」との見方を示した。(翻訳・編集/北田

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