3か月内に「南北首脳会談」開催か=北京五輪活用や金正恩氏のソウル訪問も―小針静岡県立大教授

Record China    2021年12月3日(金) 7時20分

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小針進静岡県立大学教授が日本記者クラブで講演し、来年3月の韓国大統領選を前に、南北首脳会談が開催される可能性が高いと指摘。来年2月の北京五輪の活用や金氏のソウル訪問もありうるという。写真は小針氏。

朝鮮半島情勢に詳しい小針進静岡県立大学教授がこのほど日本記者クラブで講演し、来年3月の韓国大統領選を展望した。大統領選を前に、文在寅大統領と金正恩朝鮮労働党総書記による首脳会談が開催される可能性が高いと指摘。来年2月の北京五輪の活用や金氏のソウル訪問もありうるという。

小針教授の発言要旨は次の通り。

大統領選の主な候補者が与党「共に民主党」の李在明氏(前京畿道知事)と野党第一党「国民の力」の尹錫悦氏(前検事総長)に決定した。二人は(1)国民の好感度に乏しい(2)ともに捜査対象者(3)ともに国会議員経験なし―の3点で共通している。

文在寅大統領は2021年9月21日の国連総会で「朝鮮半島『終戦宣言』に向けて国際社会がもう一度促し、南北米の3者もしくは南北米中の4者が集まって、朝鮮半島での戦争が終了したことを共に宣言すること」を提案した。この提案について韓国内の世論調査では「ぜひ必要」41%「ある程度必要」26%と約7割が評価している。南北通信連絡線がを再開されたことについて韓国有力紙は「北朝鮮の最高指導者の意思が盛り込まれている点で意味がある」と論評している。「対話に真剣に望む姿勢になったとの判断は難しい」と疑問視する向きもあるが、南北の融和と終戦宣言は国民に支持されている。

北朝鮮は、次の韓国政権が現政権の流れをくむ進歩派政権になることを望んでおり、文氏の後継候補が有利になるように仕掛けてくる可能性がある。金正恩氏のソウル訪問もその一つになりうる。

実際、北朝鮮では思わぬ動きが出てきた。金氏の顔が書かれたTシャツが話題になったのもこれまで考えられなかった出来事だ。南北会談は基本的に(与党進歩派勢力に)プラスに動く。韓国の政権が交代しても韓国政府との約束を既成事実化する狙いが(双方に)あると思われる。

 

2007年の廬武鉉政権下で、(次の)李明博政権が当選した同年12月大統領選挙の直前(10月)に廬武鉉氏と北朝鮮の金正日氏がピョンヤンで南北会談し経済協力を約束している。大統領選前に既成事実を作った前例がある。

2019年以降は南北会談が開催されていないため、韓国の進歩勢力としても、実績を作っておきたいとみられ、22年2月の北京五輪で南北首脳会談が実現する可能性もありうる。金氏の電撃的なソウル訪問も想定できる。

次の大統領に野党の尹氏がなっても国会は今の与党勢力が3分の2を占めており、大統領の力が削がれる可能性が高い、この点は韓国で政権交代になっても北朝鮮にとって心強いことだろう。3カ月の動きを刮目してじっくり見なければならない。(八牧浩行

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