2022年の中国ドラマ展望、時代劇は減少、「ブロマンス」は消滅か

anomado    2021年12月3日(金) 13時20分

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今年も数多くの時代劇が注目を集めてきた中国ドラマについて、来年は「時代劇が減少し、ブロマンス系の作品は消滅する」との観測が出ている。

今年も数多くの時代劇が注目を集めてきた中国ドラマについて、来年は「時代劇が減少し、ブロマンス系の作品は消滅する」との観測が出ている。中国メディアの新京報が2日付の記事で報じた。

同記事によると、「愛奇芸(iQIYI)」、「優酷(YOUKU)」、「騰訊視頻(テンセント)」、「芒果TV(マンゴー・テレビ)」の4大プラットフォームの2022年放送予定リストのうち、国家広播電視総局(広電総局)の重点プロジェクトに入選したほとんどの作品が、現代を題材としたものだった。最近ではネット文学のドラマ化も盛んに行われていたものの、中国当局の芸能界への取り締まり強化を背景に、今後はより「文学的価値の高い」作品が主流になるという。

記事は、広電総局が近年、リアリズムを題材としたドラマ制作を提唱しており、放送リストに登録される時代劇ドラマの割合は年々減少傾向にあると説明。制作から放送までに比較的長い時間がかかることが多いため現時点では減少はそれほど目立っていないとする一方、時代劇ドラマには大作が減り、中には話題にならなかったり、評判が悪かったりする作品も多いと指摘、「山河令」や「御賜小仵作」も当初は注目度は低かったとした。

その上で、現実をテーマとした作品が台頭する中で、「慶余年」「且試天下」といった時代劇は制作の話が持ち上がりながらクランクインまで何年もかかったことを挙げ、「配信プラットフォームの時代劇プロジェクトへの投資がすでに鈍化していることを表している」と分析した。

一方で、よりジャンルが細分化された中小の時代劇が多くなったとし、例としてコメディータッチの「皇后劉黒胖」やサスペンス系の「大宋少年志」を挙げた。評論家の太陽以西氏は「プラットフォームは時代劇の制作に大規模に投資するリスクを認識している」とする一方、「時代劇というジャンルが長期的かつ安定した市場を持つと見通しているため、中小のプロジェクトに力を入れ、時代劇の幅を広げている」との見方を示した。

2019年の「陳情令」は、ダブル主演したシャオ・ジャン(肖戦)とワン・イーボー(王一博)を一気にトップスターへと押し上げた。しかし、来年は同様の「ブロマンス」作品は影をひそめることになりそうだ。記事によると、2021年にすでにリストに登録されている「男性ダブル主演」作品は「皓衣行」など6本に上るが、9月に広電総局がドラマ制作の指導を強化し、再生回数至上主義やファンコミュニティーの乱れ、ブロマンスなどの排斥を求めたことで動きが止まった。

テンセントの「皓衣行」はすでにクランクアップしているにもかかわらず配信がいまだに決まらず、他のプラットフォームのブロマンス作品も配信決定がない。4大プラットフォームの2022年放送予定のドラマリストからは、「男性ダブル主演ドラマ」は「完全に姿を消した」という。業界関係者は「短期的には(配信の余地は)一切ない。まだ準備中の作品は制作側が中止すればリスク回避できる。すでに決まっている作品については、波風が静まっている期間に『ブロマンス』のとがった(問題視される)部分を修正し、配信を待つしかない」と語ったという。(翻訳・編集/北田

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