日本の働く高齢者が増加、ギグエコノミーが高齢化時代の処方箋?―中国メディア

人民網日本語版    2021年12月3日(金) 8時0分

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日本は1970年という早い時期に高齢化社会に足を踏み入れており、高齢者の就業率の高さが大きな特徴だ。

日本は1970年という早い時期に高齢化社会に足を踏み入れており、高齢者の就業率の高さが大きな特徴だ。就業率を見ると、高齢者の4人に1人が働いている。日本の高齢者は退職してからまたどんな仕事をしているのか。高齢化が世界各国の等しく直面する難しい問題になる中、日本のどのような経験が参考になるだろうか。

■高齢者の雇用が企業の当たり前に

日本で会社を経営する中国人の張さんは、「当社は社員のおよそ20%が高齢者」と話す。張さんの会社の主な業務は、日本で病気の治療をしたい中国人のために橋渡しをすることで、受診に関する問い合わせ、受診時のガイド、医療機関とのマッチングなどのサービスを提供することだ。

張さんは、「高齢者を雇用することはこちらの企業では当たり前のことだ。当社では高齢者は主に一部の事務職を担当し、退職前とほぼ同じポジションで働いている。高齢者は若い人と比べると、より落ち着いていて、経験もある。そして日本政府は高齢者を雇った割合に応じた企業への奨励措置を打ち出している」と説明した。

■ギグエコノミーが高齢化時代の処方箋?

張さんは、「日本の高齢者は基本的にパートで、労働時間の長さ、評価や任務、雇用保証などは若い人と変わらないが、賃金は一般的に正社員の3分の1しかない」と説明した。

大阪大学医学系研究科の劉克洋特任助教は、「日本人の平均寿命は85歳くらいで、60歳で退職すると、それから25年の時間がある。さらに日本の企業や機関の退職制度はそれほど厳格でなく、退職後も働き続けることを選ぶ人が多い。大阪大学の教授を例にすると、体に問題がなければ、70歳や80歳まで働き続ける人が大半だ。65歳で退職しても、大学には再雇用制度があり、他の研究所の理事長や病院の院長などを兼任することもできる」と述べた。

劉さんは、「退職後に何もすることがなければ、退屈で仕方ないだろう。日本の高齢者が退職後にする仕事は本来の意味での仕事ではなく、どちらかというとアルバイトで、自分の予定に合わせてバイトのシフト表を調整し、しばらく働いてはしばらく休むというようにしている」と続けた。

実際、日本のバイト産業は成熟している。劉さんは、「日本各地の地方自治体が高齢者の雇用のためのサービスを打ち出しており、これには植木の剪定、清掃、帳簿付けなどが含まれている。高齢者が自分のできる仕事の内容を自治体に登録し、法人や個人のニーズにマッチすれば、高齢者を派遣することができる」と説明した。

また劉さんは、「一般の家事サービスの場合、専門の訓練を受けた若者なら時給は3000円を超えるが、高齢者はこの半分ほどで済む。しかし高齢者側も自分の体調に合わせて、仕事の時間を適宜調整することができ、双方にとってウィンウィンの状況だ」と述べた。

■高齢者の雇用はどんな挑戦に直面しているか?

総務省が発表したデータを見ると、高齢者は卸売・小売業で働く人が最多で128万人に上り、以下、農林業が106万人、サービス業が104万人、製造業が92万人と続く。

劉さんは、「高齢者がサービス業界を選択するのには一定の社会的な背景や要因がある。日本の各種規定では年齢に関する制限が中国より緩い。たとえば中国では運転免許を取得できる最高年齢は70歳までだが、日本では18歳になれば取得でき、上限はない。また、日本では民泊施設の多くが家族経営の昔ながらの旅館スタイルで、高齢者が看板を守り旅館を存続させているというところが多い。

■高齢者の雇用が直面する挑戦は?

突如発生した新型コロナウイルス感染症はオンラインソフトウェアの利用を激増させる一方で、電子機器を使いこなせるかどうかが高齢者にとって難しい課題となり、徐々に適応し学ばなければならなくなった。

また、高齢者の健康問題も雇用者側にとっては心配な点だ。張さんは「うちの会社にも生活習慣病を患う高齢の社員がいて、定期的に病院で診察を受けて薬をもらわなければならない。そんな時は大体社員の間で調整してカバーし、できるだけ業務に支障が出ないようにしている。雇用主としては、やはり仕事のペースが変わらないようにしてほしいというのが本音だ。ただ日本の高齢者は元気で、70歳や80歳でも一日中働ける健康状態の人が多い」と話した。(提供/人民網日本語版・編集/KS)

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