Record China 2021年12月12日(日) 10時30分
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中国メディアは現在の日本の対外的な姿勢を形容する最も適切な言葉は「右顧左べん」と報道。「方向を見失うな」と岸田政権をけん制した。
現在の日本の対外的な姿勢を形容する最も適切な言葉は「右顧左べん」(周りの意見や姿勢を気にしてなかなか決断がつかないこと)と中国メディアが皮肉った。右は一衣帯水の中国、左は太平洋を隔てた米国を指す。記事は「日本の態度はますます米国一辺倒になってきたようだ」と批判。「方向を見失うな」と岸田政権をけん制した。
中国網は岸田政権について「年内の首相訪米の準備を急ぎ、中国を念頭に置く『自由で開けたインド太平洋』の構想を掲げている」と指摘。その一方で「経済面で緊密なつながりを持つ中国との安定的な関係の維持を願っている」と分析した。
経済・貿易面では「日本の2019年の貿易額は156兆円で、うち対中貿易は33兆円。対米貿易の24兆円はと大幅な開きがある。日本の対中経済・貿易への依存度はすでに対米をはるかに上回っている」と言及。「中国経済が風邪を引けば日本経済が発熱するとも言える」と説明した。
安倍前政権はこれを認識したため、長年にわたり試みた「対中経済デカップリング」政策を断念。「米中貿易戦争とトランプ氏の『米国ファースト』を背景に『新時代の日中関係の3原則』を掲げ、競争を協調とし、脅威ではなく協力パートナーになり、自由で公平な貿易を促進した」と続けた。
一方で中国網は「岸田文雄首相は組閣中に保守派の代表格である岸信夫氏を(防衛相)に留任させた。この安倍晋三氏の弟は左の米国を見ているが、任命前から『知中派』というレッテルを貼られていた林芳正外相は右の中国を見ている。岸田氏は『日本には日本の立場』と繰り返しているが、『日本の立場』とはいったい何か」と疑問視。「タカ派からすれば防衛力を強化し、日本が中国や米国と駆け引きをする能力を拡大することだ。ハト派からすれば米国一辺倒ではなく、うまく立ち回り、外交による調整の余地を広げることだ」とした。
さらに「岸田氏はまた、国内の安全保障戦略の調整にも直面している」と論評。「米国の影響を受ける日本の戦略界が求める『防衛予算拡大』の要求も最終的に満たされる。日本国内の防衛産業は間もなく米国の軍産複合体の下請け業者に、つまり日本国内の産業のうち数少ない成長産業になるだろう。しかし、成長と同時に必然的に民間業界の生産能力を圧迫し、日本国内の産業の国際的な競争力をさらに低下させる」と述べた。
そして「アベノミクスと安倍氏の歴史修正主義の影響を受け、米国の軍需産業に従属しようとする『戦争資本主義』思想がすでによみがえろうとしており、今後の日本の平和に暗い影を落としていることに注意が必要だ」とも警鐘を鳴らした。(編集/日向)
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