Record China 2021年12月12日(日) 13時40分
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東南アジアのカンボジアに新たな王朝が誕生するかもしれない。36年にわたり国を統治してきたフン・セン首相は後継に長男を指名。「日本には安倍王朝も」と付け加えた。写真はカンボジアの首都プノンペン。
東南アジア諸国連合(ASEAN)に加盟するカンボジアに新たな王朝が誕生するかもしれない。36年にわたり国を統治してきたフン・セン首相(70)は首相の座を長男のフン・マネット陸軍副司令官(44)に引き継ぐ意向を表明。「日本には安倍王朝も」と付け加えた。
ロイター通信などによると、フン・セン首相は12月初め、南部シアヌークビルで演説。「息子が後任首相になることを支持する。しかし、これは選挙を通さなければいけない」と述べた。カンボジアは二院制で首相は下院が選出する。次の下院選は2023年に予定される。
さらに「世襲」を正当化するためか、安倍晋三・前首相一家にも言及。「日本にも安倍王朝がある」として、「彼の祖父(岸信介氏)は首相を、父(安倍晋太郎氏)は外相を務めた」と話した。
フン・セン首相のカンボジア人民党(CPP)は1979年から政権を担当。フン・セン氏は85年、首相に就任した。93年の総選挙では故シアヌーク国王の息子ラナリット氏の超党派政党フンシンペックに敗れ、連立政権を構成して第2首相になったこともある。
しかし、98年の総選挙でCPPを率いて勝利し、また全権を握った。2017年11月には全体125議席のうち55議席の第1野党カンボジア救国党(CNRP)を反逆容疑で強制解散させ、翌年の総選挙では全125議席を占めて事実上の「一党独裁」体制を構築した。強権的な統治には欧米諸国などからは批判の声も上がっている。
マネット氏は1999年に米陸軍士官学校ウェストポイントを卒業し、英ブリストル大学で経済学博士学位を取得した。2018年12月にはCPPの最高意思決定機構である中央委員会の常任委員に選出され、国際社会は権力継承の本格化を予想してきた。カンボジアの英字紙「プノンペン・ポスト」は、フン・セン氏の発言を受け、CPPの幹部らがマネット氏を支持する姿勢を示したと報じた
日本政府もマネット氏には注目。2018年4月に軍参謀次長の肩書で来日した際は、安倍首相(当時)や河野太郎外相(同)らが面会し、カンボジアの国造りを引き続き支援していく考えを伝えていた。(編集/日向)
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